彼のミスは、知恵袋で質問して回答をもらったあと、ベストアンサーを決めて保存してしまったことだ。

今日の朝日新聞によるとネット世代の若者にとって知識は外注、つまりネットで検索できることを頭に詰め込む必要はないという考えになっているらしい。
確かに「所謂」の熟語訓が「いわゆる」であることや、西太后の生没年が1835~1908であることなど検索すればすぐに出てくる。

そうなると検索を前提とせず、頭の知識だけを問うテストはもう通用しないのではないか。
知恵袋の回答には誤りもあるし、ネットの記載も正しいとは限らない。英語の譯文には翻譯ソフトを使ったデタラメな物もあったらしい。
テレビである人が「本当の知恵袋は自分の頭だけだろう」とも言っていた。

カール・セーガン(Carl Sagan)の『コスモス(COSMOS)』によると、生物は本来、生活に必要な情報をDNAに保存し、それでも情報が足りなくなると神経細胞を塊りにした脳に保存。脳に収まりきれない情報は図書館、つまり書物に保存した。この本の發展がネットということか。
セーガン博士も「コンピューターが世界の脳をつなぐ」と言っていた。

入試のとき、携帯電話の電源を切って卓上に置くように求めた大学もあり、その場合、携帯を机に出していないと不合格らしい。すると携帯電話を持っていない受験者、忘れた受験者はその場で不合格になるのだろう。一方で携帯電話を持ち込んだら不合格という学校もあるらしい。

aicezuki をなのった19歳の男が護送されていたが彼がいる後部座席と窓はカーテンで仕切られていた。それでも護送車を撮影し、それを何度も流すマスコミは何を考えているのか。これでは助手席にいる男が犯人と勘違いされる恐れがある。

知恵袋はテストの解答(回答)を得るのにはリスクが大きすぎる。ベストアンサーを残すと証据が残るし、そもそも試験時間中に回答が来るとは限らない。
その意味で親切に回答をすぐ書き込んだ回答者も問題だ。

なお、aicezuki が「アイス好き」であれば icezuki のはずだ。
ice の i は英語の Great Vowel Shift により[i:]から[ai]になった。
ドイツ語の Eis [ais] も同系である。

aicezuki は自分のしたことがメディアで大きく報道されていることを知らされて驚いていたらしい。この人は知恵袋を使いながら時事ニュースを見ていないようだ。

NZ地震では携帯メールが地震を傳えたが、入学試験は携帯電話がカンニングに使われた。相撲の八百長は携帯電話で足がついた。北アフリカではフェイスブックが反体制運動を支えた。ITは現代社会で強いりからを持つが、相撲の八百長や大桃美代子のツイッターの例にあるように、昔は世間話でやっていたことをEメールやツイッターでやると証据が残るわけだ。
ITを人類がどう使うかという課題を残した事件であった。

また受験生が大学側を試した形となったのも興味深い。
ITの最先端はIT企業から出てそのユーザーである若者が使うが、大学がその時代について行けないとすると学生が大学で学ぶ物は何か、考えてみる必要がある。

aicezuki のしたことの問題として、まず、Yahoo!知恵袋は質問してから回答が投票に回るまでの1週間、回答がいつ来るかわからず、回答が正解と限らないのに、一日の中でも時間制限のある知恵袋に頼った点と、質問を削除せず、ベストアンサーを選んで質問の記録を残す大失態を犯したことである。
aicezuki が質問しても、もし他の知恵袋ユーザーが回答を質問の翌日以降にしていたら、カンニングはおこなわれなかったわけで、その意味では試験時間中の回答者も同罪であろう。