大学入試で、受験者がaicezuki(注釋)というハンドルネームでYahoo!知恵袋に続けて数学や英語の問題文を書きうつして質問を、回答を得ていたことが判明した。

 

2011年2月27日のNHK『ニュース7』でトップニュースになった。
aicezuki について英語の副音声では [ei-ai-si:-i:-zi:-ju:-kei-ai] という風に分けて読んでいた。
z は英国英語で [zed],アメリカ英語で [zi:] と読まれる。

 

翌日のフジテレビ『とくダネ!』では「アイスズキ」と読んでいた。

 

もし「アイス好き」なら icezuki となるところだが、aicezuki とは何か。
日本語のローマ字表記なら aisuzuki であるから、どうも妙な偽名である。

 

これで思いだしたのは『ドラえもん』に出てきた「コンピューターペンシル」(注釋)である。
これは電子計算機+筆記用具であるからして、要するにパソコン、さらに携帯電話がそれだ。
ドラえもんの秘密道具の中ですでに実用化されている物は「ききがきタイプライター」(音声認識ワープロ)や「トレーサーバッジ」(電波で地図に人の居場所を表示)などすでに数多いが、あの大山のぶ代氏は「糸なし糸電話」がすでに携帯電話として現実の物になっていることを指摘している。

 

一方、多くの携帯電話はパソコンが小さくなったようなものなので、言ってみれば、糸なし糸電話とコンピューターペンシルが一体化したようなものだ。GPS機能があればトレーサーバッジの役割も兼ねていることになる。

 

早い話が学生が携帯電話を持ち歩いているのは、糸なし糸電話を持ち歩いているのと同じであると同時に、コンピューターペンシルを携帯しているのと同じである。

 

さて、携帯電話には時計の機能もある(注釋)。
だから腕時計を持ち歩かない人がいて、それで携帯の電源が切れたことを理由に「時間がわからなかった」と言う人も以前の職場にいた。
大学で検定試験を受けると、最近は教室に時計が掛っていないことがあり、腕時計が必要になるが、携帯電話で時間を調べている人は携帯を出しているとカンニングと疑われるので使えないことになっている。
こうなると、糸なし糸電話にいろいろな機能を詰め込んだ文明の進歩が、こういう不正を生んでいることになる。

 

ちょうど、ドラえもんの秘密道具がのび太やジャイアンが「罰を受ける」ようなものである。

 

1976年から77年まで放送されたアニメ『ろぼっ子ビートン』(注釋)では相棒の少年・マーちゃん(正夫)が算数の試験でカンニングをしようとした。テストの問題を手元の機械(消しゴム型だったか)で撮影し、電波でビートンの手元のボードに送り、ビートンが計算、回答をマーちゃんに送る。「テストは㊙大作戦」だったか。悪役であるガキオヤジがこれを妨害しようとしたが、道義的にはガキオヤジのほうが正しい。

 

文明が進歩したらこのような使い方をする者がなからず出てくる。機械が便利になればいいというわけではない。
テレビである女性が言っていたように、知恵袋は質問をしても回答がその日のうちに来るとは限らず、1週間も回答0で放置されて質問自体が削除されることもある。質問した途端に回答がすぐ来るのは自作自演か、複数による作業の可能性が高い。

 

2月28日の朝の番組で、テリー伊藤が「カンニングは昔からあったけど、今はハイテクになったね」と笑っていた。
同じ番組だったかどうか忘れたが別のコメンテーターが「大学のカンニング対策が旧態依然で、翻譯ソフトで翻譯はできるのに、相変わらず個人の翻譯能力をテストするのはもう時代に合わない」と言っていた。絵本の翻譯くらいなら辞書さえあれば藝能人でもやっている。
└→補足

 

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2011年2月