この2冊では、いずれも舞台となった各地と大河の対照が地図と一緒になっている。
小栗旬は1996年の『秀吉』では石田三成の少年時代を演じ、13年後、2009年の『天地人』で大人の三成を演じた。それで『天地人』では三成の少年時代として、子役時代映像が流用されたらしい。2009年当時の『ステラ』で話題になっていたと思う。
小栗旬は1982年12月生まれで、実質1983年生まれとすると『秀吉』に出た当時は13歳(12月で14歳)であり、『天地人』に出たときは26歳(12月で27歳)だったことになる。

110~111ページでは浅井3姉妹や信長、秀吉、家康、吉良上野介、浅野内匠頭、大石内蔵助などを演じた俳優の比較がある。
幕末編の龍馬、西郷、慶喜を演じた役者の比較も参考になるが、できれば島津斉彬と島津久光を入れたら面白かった。

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2011年2/20 2月


注釋
年表
1987年の箇所ではNHKの『独眼竜政宗』『チョッちゃん』『はっさい先生』などのほか、日テレの『巨泉のこんなものいらない?!』もタイトルが紹介されている。『巨泉のこんなもの』では大河ドラマを「いらないもの」として取り上げたことがあり、番組に出たアメリカ人キャスターによると、アメリカでは歴史上、有名な皇帝や将軍の傳記で1年持たせる番組はありえないそうで、向こうでは工場の床を磨いているような人物の人生にドラマを見出すらしい。そうなると『黄金の日日』のように無名の町人を主人公にするのがいいし、あるいはまだ大河がやっていない吉良上野介を主役にした話も必要だ。大和政権成立の犠牲になった熊襲やアイヌのシャクシャインの傳記など大河でできないものか。

内容から考えて、『巨泉のこんなものいらない?!』で取り上げられた物事は、今思えば本当に「いらない」のでなく「必要だが現状でいいのか」という叱咤激励の対象でもあったようだ。何しろ巨泉は番組で英語でアメリカ人キャスターと話し、「英語教育」を取り上げながら、実際は海部俊樹氏(首相就任前)をゲストにして、英語教育を必要とした上で改善を求める内容であった。最終回は「地球」。まさか巨泉も「地球」を「いらないもの」とはしないだろう。

『こんなものいらない?!』の書籍によると、黒船来航当時、日本側が使ったオランダ語が俗で古かったらしく、これが今の日本の英語教育(番組で「17世紀の英語」とされた)に近いという話だった。実は1851年にジョン万次郎がアメリカから帰国しており、1853年の黒船来航はその2年後だったが、日本ではオランダ語の通譯を使って英語←→オランダ語←→日本語という二重通譯で日米交渉を進めていたらしい。このことは『篤姫』で描かれている。オランダ語を学んだ日本人が職を失うのを恐れていたのではなかろうか。