「国の借金」と「タイガーマスク運動」について
日本では国の借金が増えているらしい。国が借金していると聴くと、日本の政府と国民全体がアメリカからドルを、中国から元を、韓国からウォン(圓)を借りて日本圓にして、それを財源にしているように思える。
ところが実際は日本国内でカネが移動しただけのようで、これでは国の借金でも何でもない。

要するに政府が財源(普通はおそらく税金から)に困って国債を出し、例えば銀行などから金を借りているというのが実態のようだ。
要するに政府が「金を持っている国民」から金を借りて財源にし、それを「貧しい国民」を救う政策などに使うらしい(場合によっては無駄遣いもあるだろう)。
そうなるとこれは「金を持っている国民」が「貧しい国民」にカネを貸しているのと同じで、直接借りるか、消費者金融(=金貸し)を通すか、政府を通すかの違いだけである。

国が借金していると言っても、カネを貸しているのも同じ国(国民の一部)なのだから大騒ぎすることではない。
さて、昔の戦争被害者などで、何かというと政府を訴えて賠償金を取ろうとする人たちがいるが、その賠償金は税金である。すると結局は原告が周りの一般市民からカネをもらっているのと同じだから、裁判などせずとも募金でも集めるか、働いて稼いでもいい話である。

2011年3月11日に起きた東日本大震災で孤児が増えたようだ。テレ朝は「ドラえもん募金」を集めているが、こういうときに「タイガーマスク募金」というのはないのだろうか?

バラマキは政府公認の「鼠小僧」か
資本主義の原則は「1億圓を1億人に平等に分配してもそのカネは何の役にも立たないが、一人に集めると意味が出てくる」というものだ。少数が裕福になれば国民が裕福になるというのが市場原理主義であるが、実際は一部が裕福になっても貧しい人は救われないという格差がまだ多い。
そうなると20年前に社会主義が破綻したように見えて、実はリーマンショックで資本主義も破綻していることになる。
鼠小僧次郎吉は金持ちからカネを盗んで貧乏人にばらまく義賊として英雄視された。これが現代日本でいまだに英雄視されるから強盗や万引きやひったくりがなくならないのだろう。また、金持ちのカネを貧乏人に分けることを方法的にやったのがいわゆる「バラマキ」であろう。

タイガーマスク運動は「金を持っている国民」が「貧しい国民」に寄付するようなもので、「政府が何とかするべきだ」という前に国民が何とかした結果であろう。
日本では金持ちが寄付をするという習慣が少ない。西洋ではシャラポワがチェルノブイリ被害者のために寄付をしたこともある。
これは子供手当で論議されるように、本当に必要な世帯だけにカネが行っているかという問題をある程度解決するには有効な手段だが、それでも恩惠を受けるのが偏る可能性はある。

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2011年2/4