「大阪都」構想は大阪府と大阪市の行政を一本化することらしいが、それなら大阪市を大阪府の直轄市にすればいいはずだ。
「新潟州」も新潟県と新潟市の行政の一本化であれば、新潟市を県の直轄市にすればいいはずである。

そもそも日本には国の直轄市があるのかどうか。
『水戸黄門』で新津の話が出てきたことがあるが、今の新潟市は新津市を統合して擴大した。

韓国のソウルは特別市として京畿道からも独立している。仁川は人口が多くて「道」(日本の県、中国の省に相当)と同格の「廣域市」とされる。
京畿道の首都(道庁所在地)は水原である。
普通に考えるとソウルが京畿道の中にあるように見えるが、ソウルは1946年に京畿道から分離されたらしい。

中国の北京、上海などは直轄市であり、重慶市など一つの省に匹敵する面積である。
例えば北京の周辺には河北省があるが、北京はそれとは別の行政区画である。

東京都の場合、対外的、外交的にはロンドン市、北京市など海外の首都と同格だが、東京都の中に区や市があるという面倒な状況である。
地理の授業で東京の都庁所在地は「東京」と教わったが、「東京市」や「東京区」は当時はすでに存在せず、今では都庁所在地は新宿であり、日本の首都は永田町と霞が関である。
なお、のちに東京都内に「西東京市」ができたのはどうもおかしい。
『エヴァンゲリオン』では2015年までに「新東京市」が本州に2つ以上できるらしい。

例えば千代田区を政府直轄市にして「東京市」にしてもよさそうなものだ。もっとも「千代田」という地名も時代劇で江戸城が「千代田のお城」と呼ばれるように残したほうが便利な名前ではある。
都庁がある新宿区も、もし都の直轄地になったら「東京市」になって永田町とどう区別するか。「第2東京市」でも作るか。「西東京市」があるから「東東京市」「中東京市」にするか。

高尾山、桧原村(ひのはらむら)や八丈島まで含む「東京都」は例えば「愛知県」と同格なのか、それとも「名古屋市」と同格なのか、そこが曖昧である。

なお、『ぴったんこカンカン』に芦田愛菜と高畑淳子が出たとき、安住紳一郎は訓練用の機内のアナウンスをして「霞が関が見えます」「国会議事堂が見え、上空からでも衆参がねじれているのがわかります」と言っていたが、国会議事堂があるのは永田町であり、霞が関はその隣りだ。永田町も霞が関も桜田門の近くにある。

中国の大連市は遼寧省の中にあるが、狭義の大連市は「市内」であり、廣義では開發区や瓦房店なども含む。
山東省の青島市も廣義では膠州も含み、手持ちの大修館の佛和辞典では Kiao-Tcheou が青島を意味する。

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2011年1/25 1/26 1月