ほぼ3人に1人がクリスマスに関心がないらしい。
「クリスマス、3分の1は興味なし」で立派な俳句であろう。

 

東京都港区にあるウェザーニューズという民間気象会社による意識調査で、36.3%の人がクリスマスを特別に楽しみにしていないらしい。
気象会社がこういう調査をするのも意外で、普通は百貨店やお歳暮、旅行、または宗教などを商賣にしている会社がやりそうなものだ。

 

クリスマスは傳説上のキリストの誕生日であり、佛教で言えば釋迦の誕生日(灌佛会、4月8日)である。
神道で言えば天照大神の誕生日になるが、クリスマスの1週間後に初詣に行く日本人でも天照大神の誕生日は知るまい。
天皇明仁氏の誕生日は12月23日(2010年で77歳)である。
1年前の『週刊現代』2009年12/26・2010年1/2合併号で猪瀬直樹氏の著書の解説によると、1948年にGHQが日本の「戦犯」の処刑を当時、皇太子だった明仁氏の誕生日にした経緯がある。
平成の世になると天皇誕生日が戦犯の処刑の日になったわけだ。

 

GHQは日本を統治するために天皇制度を残した代わりに、日本国民の精神に東京裁判の効果を残そうとしたらしいが、その後、昭和が40年も続き、その間は引き続き昭和天皇(裕仁氏)の誕生日である4月29日が「天皇誕生日」だったため、1989年の改元後、12月23日が新たに天皇誕生日となったときには、日本人の多くはその日が「戦犯」処刑の日であったことを忘れてしまったらしい。

 

また、日本には紀元節もあり、これは2月11日でこれは日本で建国記念日とされる。

 

日本のクリスマスを人間・キリストの誕生日として観ると誠に異常な祝い方が続いている。
日本では誕生日の始まる1箇月弱前、12月から盛り上がり、日本人の多くがにわかクリスチャンとなり、12月25日を過ぎると日本ではツリーも片付け、クリスチャンから神道信者に戻って、1週間後にはキリストなど忘却して新年を祝う。1月1日はクリスアンスから1週間後で、普通、誕生日は当日から1週間くらいお祝いの期間が続くのだが日本は逆である。
海外では1月になってもクリスマスツリーはそのままで、それが当り前だ。

 

中国では聖誕節を祝ったあと、1週間後に陽暦の元日が来るが、聖誕老人(サンタクロース)のイラスト聖誕快楽(メリークリスマス)の文句などは、そのままである。
日本人はクリスマスが終わるとすぐ飾りを撤去してしまう意味では、クリスマスを冒瀆(冒涜)していると言える。

 

中国の場合、春節を祝うので陽暦の1月末から2月初めに本当の新年が来る。だから陽暦の1月初めはまだクリスマスの余韻が残る時期である。
日本ではこの旧正月に当たる時期に「建国記念日」が来るわけだ。

 

日本には忘年会もお歳暮もあるのにクリスマスというのは明らかに無駄であり、所詮は景気がいいときのオマケである。
そもそも日本でのクリスマス騒ぎではサンタクロースばかりが話題になり、誕生日の主賓であるキリストが一切話題にならない。その意味では日本のクリスマスには価値はない。参加する意味もない。

 

星飛雄馬は1968年12月24日(推定)に巨人二軍宿舎2回でクリスマスパーティーを企画し、呼んだ相手(伴、明子、花形、左門)が来なかったので独りで大暴れした。飛雄馬はクリスマスを「ケーキを飾ってどんちゃん騒ぎするやつ」と認識したが、確かに飛雄馬は大暴れという形で騒いだわけだ。本来はキリストの誕生日だから、飛雄馬は「キリスト様、誕生日おめでとう」と言えばよかった。
傳説上、キリストが紀元元年12月25日生まれとすると、1968年のその日には1967歳になっていたはずだ。
星飛雄馬の悲劇はクリスマスの本来の意義を知らなかったことによる。

 

なお、『ベルサイユのばら』のオスカルは1755年12月25日生まれ。
植木等は1926年12月25日生まれ。
12月25日は大正天皇の命日でもある。

 

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