手塚治虫が釋迦如来(佛陀)の生涯を漫画化した『ブッダ』が2011年5月にアニメ映画『手塚治虫のブッダ―赤い砂漠よ!美しく―』として公開されるらしい。

アニメ『火の鳥』では火の鳥の声を竹下景子が担当したが、『ブッダ』では吉永小百合が声とナレーションを担当するようだ。

財団法人日本漢字能力検定協会が毎年12月に發表する「今年の漢字」は京都の清水寺で佛教の僧侶によって毛筆で大きく書かれる。
日本における2010年の漢字は「暑」であった。
場所が清水寺なのは日本漢字能力検定協会の本部が京都にあるということもあるだろうが、東アジアでは佛教が漢字と不可分になっていることの象徴でもある。

もともと佛典は梵語で梵字を使って書かれているものだ。
しかし日本と朝鮮では佛教が天竺からシナを経由して、漢字で書かれて傳来したため、東アジアで僧侶が佛教を学ぶことは漢字を学ぶこととなった。

『大長今』(『チャングムの誓い』)の第1話である男がいくつかの漢字の意味を知るために佛教の僧侶に質問する場面があった。

「釋」を「釈」と書くのは日本だけで、もとは佛教関係者が「釋」を「尺」で代用して「釋尊」を「尺尊」などと書いたのが始まりらしい。
「佛」を「仏」と書くのも日本だけで、「佛」の音符は「弗」である。

西洋では梵語から佛教用語を直接採用しているので nirvana(涅槃)や maitreya(弥勒)などが採用されている。
『西遊記』の英語版で三蔵法師は Tripitaka(または「唐僧」を譯した Tang Priest)である。
羅刹女は raksasi(男の羅刹は raksasa)という具合だ。

日本では「今年の漢字」が出るころにはキリストの誕生日とされるクリスマス、聖誕祭を祝うお祭り騒ぎが始まっており、しかも12月25日が終わると、途端に聖誕祭を祝わなくなって、飾り物も片付けるという異常な習慣を持っている。
日本以外では陽暦の1月1日を過ぎてもクリスマスの飾りはそのままである場合が多い。1月1日は12月25日からわずか1週間後だから当然である。
日本でもクリスマスを祝うなら陽暦の元日以降も祝うべきだし、それをしないならクリスマスなど無視して12月は和風の年越しに徹したほうがいい。

日本にはお歳暮も忘年会もあるのだから、クリスマスのプレゼントやパーティーなど不要である。

『ブッダ』の舞台は2500年前のインドで、2010年から2500年前は紀元前490年ごろだから紀元前5世紀である。釋迦の生没年は古代インドの暦が複雑なのか説が分かれていてはっきりしない。
『西遊記』に登場する釋迦はすでに「佛(ほとけ)」であり、西暦(紀元後)130年ごろの後漢の時代や、500年後の630年前後の唐代にも存在している。

2011年の灌佛会(=潅~)、4月8日に千葉のT・ジョイ蘇我で予定されていた試写会は3月11日に起きた東北関東大震災の影響で中止となった。千葉は液状化現象などで被災しているし、東京電力による計画停電の影響もある。


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2010年12/12