松田聖子は初期ののび太と同世代である。2007年のリメイク版のアニメでは、のび太の母親・玉子が松田聖子より10歳前後、年下に設定されている。

松田聖子のデビューは『のび太の恐竜』映画第1作の公開と同じ年であった。

渡辺美里は「私はもろドラえもん世代」とコメントしており、渡辺美里だけでなく、彼女より年下の世代はみな、「ドラえもん世代」であろう。渡辺美里の場合、幼児期に『ドラえもん』がスタートし、小学校に上がったときには、すでに日テレでアニメも放送されて小学館の学習雑誌で連載が続いていた世代である。『コロコロコミック』が出たとき、渡辺美里は小学5年生であったと想われ、まさに、当時の「野比のび太」、「源静香」世代である。

「みさと」といえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサトであるが、このミサトは86年生まれで、渡辺美里のデビューの翌年に生まれ、声を担当した三石琴乃も渡辺美里より1歳年下である。

驚くべきことに、渡辺美里がデビューした年に相武紗季が生まれており、その両方が『ドラえもん』ファンを自認している。また、堀北真希は『のび太のパラレル西遊記』公開の年に生まれている。その堀北真希が11歳(つまり、アニメののび太と同い年)のとき、SPEEDが『ドラえもん』の映画の主題歌を歌っていた。その翌年の西暦2000年に澁谷武尊が生まれたわけだ。

『ドラえもん』を読んで、観て育った世代がいかに幅廣いかよくわかる。
しかし、柳田理科雄は松田聖子と1歳違いでありながら、『空想科学読本』で『ドラえもん』に触れている回数も深さも『ウルトラマン』に関するものには及ばない。
『ドラえもん』のファンが増えるのは1964年度以降に生まれた世代かもっとあと(年下)であろうか。

1970年代と21世紀初めで時代設定の変化を比べると、「ママのダイヤを盗みだせ」では1948年の「『黄金バット』の紙芝居」が昭和50年代後半(1980年代前半)の「松田聖子のサイン会」になっており、「ジーンと感動する話」では「西条ひろみ」が「速水もこみちと相武紗季」になっている。
すると2007年版の「ママのダイヤ~」では「紙芝居」または「松田聖子のサイン会」のところに「西条ひろみのロケ」を持ってきてもよかったはずである。

玉子は「恐竜の足あと発見」で38歳らしいが、假にリメイク版「ママのダイヤ~」放送当時の2007年で37歳とすると1970年(昭和45年)生まれだから1977年(昭和52年)で7歳。「ママのダイヤ~」の原作も「ジーンと感動する話」の原作もおおよそ1975年前後の作品なので、2007年のアニメで玉子の少女時代1975年ごろにしてもよかったはずだ。それを数年ずらして1980年代初めにしたことで2007年における玉子は少し若くなった。
もっとも「松田聖子」にしたことで意外性が出て、注目度が増したのは確かだろう。

また、「ママのダイヤを~」の原作では玉子は32歳くらいの設定だった可能性がある。1974年当時、「地下鉄をつくっちゃえ」ではのび助は36歳だったので、1985年の「恐竜の足あと発見」における玉子38歳という設定はあとになって考え出されたものだろう。
└→「ママのダイヤを盗み出せ」と「ジーンと感動する話」(21世紀初めのアニメ)
└→さらに補足

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2010年10月 10/13