科学技術は国同士で競争するものでもない。
どこかの国が1位にになれば、ほかは2位以下になるわけで、別に日本が2位でもビリでも関係ないだろう。

テレビでは蓮舫議員が「2位じゃだめなんでしょうか」と言った場面だけを意図的に斬りはなして強調しているが、これでは読解力のない人間を増やすだけだ。

ノーベル賞についてマスコミのいつものお祭り騒ぎは、まずどういう研究でノーベル賞を獲ったか一言も触れないで、家族の絆だの、過去の経歴や交友だの、研究への想いだの、どうでもいい付随的な話ばかりに時間を浪費する。

五輪中継も同じで肝腎のスポーツに関して何も語らず応援団の表情ばかり追いかける。
記者が全員、科学技術やスポーツに関してど素人ばかりなのだろうか。

中国で拘束された人が釋放され、記者会見。これもまず本人が謝罪したが謝罪などどうでもいいし、家族と喜びを分かち合ったなどという私的な無駄話は一般視聴者にはどうでもいいので編集でカットすべき部分だ。逮捕された理由と経緯についた語ったところだけ流せばいいのにテレビではそこはナレーションで簡単に触れただけだった。マスコミはいつも大事なことを後回しにする。

マスコミ報道の質も下がっていてろくな質問ができない記者が多い。
時代劇『水戸黄門』第42部についてもマスコミの関心事は由美かおるの後継の雛形あきこの入浴シーンだの、2代目林家三平の交際問題だのどうでもいい話題に話が集中しており、過去の『水戸黄門』との設定の整合性などについて誰も質問しない。記者が不勉強なのだろう。

別にどこの人がノーベル賞を受賞しようが関係ない。そもそも科学者がどこの国の人間か、果たして意味があるのかどうか。
日本では日本人が宇宙飛行士になると騒ぐのに、メディアや企業がその宇宙飛行士に「宇宙から観た地球」について語らせ「国境は意味がない」という思想を廣めようとする。その上で「科学技術では日本が1位になるべきだ」という意見を擁護しているのだからまったく矛盾している。
そもそもメディアはどちらの意見に賛成なのか。尖閣問題でも日本のマスコミはただ報道するだけで意見がない。
事業仕分けが話題になるとマスコミは仕分け人をスター扱いし、ノーベル賞受賞者がそれを批判するとマスコミは受賞者を擁護するようだ。ではマスコミはどちらに賛成なのか、ジャーナリストに意見はないのか。これなら新聞社は国営1社だけでいいし、テレビ局もNHKを国営化だけにして1社だけにすればいいだろう。

実質、日系アメリカ人としてアメリカで研究した人が受賞して、日本で騒いでいるだけだろう。
中国では受賞者である劉暁波(Liu Xiaobo)氏について「劉暁波,誰?」という反応がもっぱららしい。日本人も中国人を見習うべきであろう。

先日、海外の某タレントが母国で薬物関係で有罪判決を受けたということで、日本への入局を拒否された。すると亡命者、難民を拒否することがあっても当然だろう。

今日、黄長燁氏が死去。87歳だった。

日本政府は「ビデオを公開すると中国が態度を硬化させる」のを恐れて公開を見送り、欧洲人は「劉氏にノーベル賞を与えると中国が態度を硬化させる」とわかって送った。欧洲にも中国と経済的に協力している企業は多いはずだが筋は通す。日本は経済=金儲けのために中国に妥協してしまう。今の形の「日中友好」が日本にとって有益かどうか疑わしい。

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2010年10月 10/10 10/11