『空想科学読本』(続き)

その他、問題点
ウルトラマンの活動時間や未来少年コナンの落下時間、マグマ大使の飛行時間などを時計で計るという無駄なことをしており、演出の上での時間の引き延ばしや縮小を無視している。
また、スーパーマンが世界中の核兵器をワイヤーで縛り、太陽に向かって放り投げた場面の検証(『科学読本3』)で、10数秒後に核兵器が地球附近から太陽に到達して爆發したように解釋しているが、作中の設定でもその時間が10数秒だったかどうか確認できない。

 

一方、星飛雄馬の投球にかかる時間などについては何も検証しておらず、『9』では『宇宙戦艦ヤマト』で相原が宇宙服だけでヤマトから飛び出してリレー衛星にぶつかったのを番組の中で経過した時間と無関係に「1時間とすると」としている。
ウルトラマンジャック(柳田氏は「帰ってきたウルトラマン」で通している)がウルトラセブンからウルトラブレスレットをもらった話について『3』では「ナックル星人とブラックキングに敗れたウルトラマン」としているが、本当はベムスターが相手であった。
ウルトラマンタロウのキングブレスレットに関してもウルトラの母からもらったはずなのに「キングからもらった」としている(『3』『9』)。

 

柳田氏は『科学読本5』で北斗神拳を検証したとき、「科学の理論は誰がやっても同じ結果になってこそ、意味がある」と主張しているが、そうなると、『科学読本』を柳田氏個人に執筆させているのは限界と偏りが多い。
『空想科学読本』がヒットしたときから、類似本が続出したが、ある意味では、類似本がたくさん出るほうが健全だと言える。

 

柳田氏は『ベルサイユのばら』のアニメでアントワネットが処刑された直後にその眼にパリの風景が見えていたとしているが、東京MXテレビで観たら、そんな場面はなかった。

 

エヴァンゲリオンに関してはセカンドインパクトのあとで必要な墓地の話、初号機が撃った陽電子砲の検証があり、また、『空想科学入門!』では零号機が投げたロンギヌスの槍の話もあるが、槍の話では相変わらずストップウォッチで時間を計っており、これは無意味である。
円道祥之氏の『空想歴史読本』でエヴァの活動限界を「3分程度」としているが、実際は5分である。
柳田氏はマジンガーZが走るときの操縱席の振動を分析している。それなら、エヴァ初号機がてのひらに葛城ミサトを乗せて走ったときも危険だったはずだが、柳田氏はこの話に触れていない。コンバトラーVの回轉の話の欄外で、エヴァで操縱席を液体で満たす設定を紹介したくらい。

 

初号機がミサトを手に乗せたのは第七話「人の造りしもの」のようで、ここではエヴァに対抗して遠隔操作の巨大ロボットが作られたが、これも暴走。シンジとミサトが食い止めた。『歴史読本』の欄外で少し言及されている。

 

柳田理科雄氏は『空想科学読本5』のアンパンマンの章の欄外で『一休さん』について触れている。今の中国で『明的一休』だとしているが、『聰明的一休』ではないか。また、「端」duan について柳田氏は中国での發音を「デュアン」としているが、本当は、圓唇「ドゥ」→口の大きい「ア」→上歯茎+舌尖の「ン」である。

 

空想科学研究所さん (@KUSOLAB) / Twitter

『一休さん』おサヨちゃんはオープニングの歌で「好き好き好き好き好き好き、愛してる」と訴える。室町時代、女性の側から愛を告げることは珍しかった。実際の一休さんは遊郭にも出入りする型破りの僧だったというが、おサヨちゃんもなかなかだと思う。(柳田)

午前9:51 · 2013年2月21日

 

一休さんに関しては円道祥之さんに「空想歴史読本」でやってほしかった気がします。円道氏は飛鳥時代(聖徳太子=厩戸皇子の時代)と戦国時代の間の奈良~室町前期を「空想歴史の大空白期」としていますがそんなことはありません。

午前11:13 · 2013年2月21日

 

「空想科学読本5」のアンパンマンの話の欄外で一休さんに言及があったと思います。

午前11:21 · 2013年2月21日

 

 

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2010年9月 10月 10/2