日本経済は中国頼みだそうだが、このような中国に頼る経済は所詮は長続きしない。
中国を単なる「市場」とだけ見て、経済成長がすさまじいから昨日、今日になって中国にとびつくような人たちは、中国人の持つ「財布」の中の金だけに関心があるのであって、良くも悪くも中国人の「人間」を何も見ていない。
結局、満州国を作った時の考えと何も変わっていない。

明治時代、清朝末期の1885年ごろに日本が尖閣諸島を「發見」したとき清朝の支配は及んでおらず、日本領にしたときも世界各国から文句はなかった。1970年代に海底資源が豊富だとわかったときに中国大陸と台湾が領有を主張し始めた。この件について日中両国が話し合わず、中国側が接触を拒否するようでは、話は平行線のままで、問題解決は遠ざかる。
中国におんぶにだっこの日本経済界が日本政府に泣きを入れて、日本が中国に折れる危険性もある。経済界は金が目当てで中国人が持っている財布だけが目当て。日本企業が中国に飛び付くのはかつての植民地支配と同じ。

9月22日のNHKの夜9時のニュースで日本企業が中国でのストなどを背景に、さらに安い人件費を求めてインドネシア、バングラデシュなど東南アジアに工場を移しているという話があった。2日、テレビ欄の朝刊にあって予定変更で放送されなくなった内容だろう。安い人件費だけを目当てに日本から中国。中国から東南アジアと移るのは植民地を作って奴隷を使っているのと大して変りはない。そこにいる人間、文化についてどれほど理解しているのか疑問である。
結局、中国とビジネスで協力している日本企業など「日中友好」などろくに考えていない。人件費の安いとこをがあれば、あっちからこっちへ提携相手を変えるだけだ。そんな「経済界」の打算のために国家主権を犠牲にしてはならない。

中国を語るとき判で押したように「急速な経済成長」ばかり言う人たちは「経済」以外に中国を何も知らなかったのか。昨年8月末の『新報道2001』では「中国では一人の子供に6つの財布があると言われる。両親、祖父母の6人。ゆるんだ財布のひもを狙って世界中からベビーメーカーが進出しているのだ」。要するに急に豊かになった中国人の財布だけが目当てなのだろう。植民地支配と同じだ。富裕層に高額な物を買わせるよりその金を被災者、貧困層支援に回したらどうか。
中国が世界のいろいろな企業を買収しているのは、植民地にされたことの報復措置のようにも見える。

安易に中国と組んでいる日本企業の日本人は「尖閣は日本領だ」と中国人にはっきり言っているのかどうか。中国人はマスコミも経営者も国を背負っているが日本人は何でも政府がやればいいと考えているところがある。

2009年8月30日の『新報道2001』で中嶋嶺雄(国際教養大学)が「中国はまだ日本ほど成熟していない」と言っていたが、これは今度の問題のようなことを言ってるのだろう。日米、日露で今度のような問題が起きても両国であの中国のようなヒステリックな運動や首脳会談中止はない。鳩山首相のとき日米首脳会談が一時、できなくなったが、それは基地問題であって、むしろ、中国が尖閣でこのような脅しをしていることが在日米軍在留の口実になっているわけだ。
沖縄の人は基地が嫌なら中国に文句を言うべきであろう。

また、日本で毎年総理大臣が交代したのも国際社会での影響力低下の原因で、マスコミが安倍首相などを批判し続けて、首相が変わるたびに「責任」「責任」と騒いで、出てくる首相を引きずりおろす。安倍、福田、麻生、鳩山という過去の首相がなぜ辞めたかもう大半の国民は忘れているだろう。
今年になると外交などで問題山積のときに、また民主党内では代表選で遊んでいた経緯がある。

ところで小沢グループはこういうときこそ小沢一郎氏、田中真紀子氏を中国に派遣しないのだろうか。大事なときに小沢氏を擁立し、日本の政治を停滞させた以上、こういうとき、動くべきであろう。

中国の人件費が安いと気うことで経費削減のために中国に飛びついている企業は、もっと人件費の安い国があればそちらに移るだけだ。逆に言えば中国でのリスクに縛られないということでもある。
中国について「経済發展」だけを強調する人は本当に中国に興味があるわけではない。

中国人は一人一人が国を代表しており、家族、地域の共同体の延長に国家があり、その歴史があり、格人が国家の為に働き、外国に対しては国を代表して話す。
日本人は個人と国を対立するものと考え、むしろ国家を敵視し、自分たちは自分たちの権利や生活だけを考え、世界で国家を代表しているという自覚が薄い。それで身近な問題については自分で解決せず、自分たちの外にある「国」である政府が何かをすべきだと考え、何でも不都合を「国」のせいにする傾向がある。