吉宗の政敵・徳川宗春が尾張藩主だった1730年から1739年まで、宗春自身は1696年生まれなので数え年35歳から44歳だったが、1684年生まれの吉宗はこの時期、数え年で47歳から56歳。宗春は吉宗より12歳年下。西川如見は1648年生まれ。吉宗が1684年生まれなので、如見のほうが36歳年上だ。大岡忠相は1677年生まれ。如見も忠相も吉宗より年上だが、身分では吉宗が上であった。
└→『暴れん坊将軍』の西川如見と彗星の話について補足
└→徳川吉宗と西川如見と天文台について補足


追加
「尾張」は歴史的假名遣いで「をはり」である。「不知火」が「しらぬひ」であるのと同様、歴史的假名遣いのほうが合理的だ。
『暴れん坊将軍II』では第131話「夜空燃ゆ! 呪いのほうき星」でも彗星が登場した。本放送は1985年で、1986年ハレー彗星接近の前年。『ドラえもん』の「ハリーのしっぽ」でも彗星の話があった。
『必殺仕事人V激闘編』(1985~1986年)でもハレー彗星の話があった。
1999年の『暴れん坊将軍』は前年の『アルマゲドン』『ディープ・インパクト』から影響を受けたものだろう。『ドラえもん』では2004年に『のび太のワンニャン時空伝』が公開され、イチの国の環境変動が巨大ナ隕石群の衝突に置き換えられて映画化されている。
龍虎は『暴れん坊将軍V』第33話「鳶口一本、炎の男道!」で徳田新之助がただの旗本ではないと感付いていた。

「すい星」配役
徳川吉宗/松平健
西川如見/笹野高史
黒瀬日向守(若年寄)/西沢利明
神川秀麻呂/堀内正美
お琴/田中綾子
内田幸之助/中島俊一
長次郎(め組の頭)/山本譲二
有馬彦右衛門(江戸城の爺)/名古屋章
大岡忠相/田村亮

『暴れん坊将軍』第9部では第8部で登場した吉宗の許嫁・鶴姫の設定がなかったことにされている。
前の第8部第10話では水戸綱條が登場し、江戸の町中で吉宗、鶴姫と出くわしている。
綱條は1718年に没しており、ドラマの吉宗と鶴姫の縁談は1716年と1718年の間にはあったが、1719年にはなくなったことになる。

綱條は1656年生まれ。西川如見は1648年生まれだから如見のほうが8歳上である。ただ長生きしたのは如見のほうだった。

『暴れん坊将軍』第9部では第19話で吉宗が西川如見を招聘。これは1719年のことだ。
西川如見は1724年に没しており、尾張宗春が藩主になったのはその6年後、1730年(陽暦で翌年)のことだ。
一方、これが放送された1999年は『暴れん坊将軍』の放送開始(1978年)から21年も経過している。
吉宗が将軍になった1716年から21年経過したのは1737年で、尾張宗春は藩主になって7年経過していたので、第9部で宗春が藩主でもおかしくないが、一方、大岡忠相が前年(1736年)に寺社奉行になっているはずなので、今度はドラマの忠相が相変わらず南町奉行であったのが問題になってくる。
第9部最終回は吉宗と宗春の最後の対決で、その2年後の宗春が隠居。隠居が1739年ならその2年前は1737年であり、第9部最終回はこの年になる。

第9部第19話で吉宗が如見の帰郷を見送って数年後、如見の息子・西川正休が天文方に任命された。これが吉宗大御所時代の1747年とすると、数年というのが8年以下であれば(9年後は普通、1年の誤差を無視して10年後として扱われる)、第9部の舞台は1739年になる。

西川如見が吉宗と出会ったのは1719年、尾張宗春の失脚は1739年で、その間20年。『暴れん坊将軍』第9部でその20年を描いたことになるのだろうか。


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2010年9月 9/16 9/17前後