今度は『暴れん坊将軍』の大岡忠相と『大岡越前』の徳川吉宗について、放送期間と在職期間の比較を考えてみる。

『暴れん坊将軍』で大岡忠相を演じたのは横内正、田村亮、そして2008年の最終回スペシャルで大和田伸也が演じた。横内正と大和田伸也は『水戸黄門』の格之進も演じている。
横内正が『暴れん坊将軍』で大岡忠相を演じていたのはほぼ20年で、「史実」の忠相が南町奉行だった時代とほぼ同じ長さであった。
一方、田村亮が忠相を演じたのは7年で少ないように見えるが、吉宗の政敵・尾張宗春が藩主になったのが1730年末で、忠相は6年後の1736年に寺社奉行になっているので、田村亮の出演期間もある意味で「史実」に近かったかも知れない。

____┌横内正が大岡忠相を演じた期間
1717__1978_第01部
1718__1979____ 1718年、水戸綱條没(第8部に登場)
1719__1980____ 1719年、吉宗が西川如見を招聘(1999年第9部)
1720__1981____
1721__1982____
1722__1983_第02部
1723__1984____
1724__1985____
1725__1986____
1726__1987____
1727__1988_第03部
1728__1989____  ┌田村亮が大岡忠相を演じた期間
1729__1990____  1997_第08部 
1730__1991_第04部  1998_第09部 1730年、宗春が尾張藩主に
1731__1992____  1999____ 1999年、第9部で彗星の話
1732__1993_第05部  2000_第10部 
1733__1994_第06部  2001_第11部 
1734__1995____  2002_第12部  
1735__1996_第07部  2003_SP__  ┌大和田伸也が大岡忠相を演じた期間
1736__1997____  2004_SP__  2008_SP
1737__(第9部最終回はこの時代を描いている)

1789__宗春失脚

1745__家重が将軍に

1719年、西川如見が吉宗から呼ばれたとき、宗春はまだ尾張藩主ではなかった。
劇中での大岡忠相の南町奉行就任以後、劇中でも放送期間と同じ時間が流れていたとすると、1999年に放送された彗星の話は1731年に相当する。これだと如見はすでに故人だが宗春は尾張藩主である。もっとも、「数年後」に吉宗が如見の息子を天文方に任命したという話を考えるともっとあとの可能性もある。

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2010年8/25 9月 9/16