1970年の宮崎キャンプで長嶋は「大リーグボール2号の土けむりを防いで、なおかつ打つ方法が三つある」と言っていた。
この三つの作戦は「体重地固め」「三塁走者協力」「帽子落とし」であろう。

 

 

4月11日の中日戦、星飛雄馬が伴宙太に対して大リーグボール2号が消えなかったとき、長嶋は「し‥‥しまったあ!!伴が転倒をつづけたのは大リーグボール一号封じプラス巨体の体重で地面をかため土けむりをおさえる一石二鳥だったとは!」と言っていた(文庫第10巻174ページ、「慟哭のブロックサイン」、KC第17巻)。
この「体重で地面をかため土けむりをおさえる一石二鳥だったとは!」は途中で略された文で、続きを補うと「体重で地面をかため土けむりをおさえる一石二鳥だったとは思わなかった!」になるだろう。

 

 

 

そのあと、阪神戦で長嶋は星飛雄馬に、長嶋自身が「体重」「走者」「帽子」の3種類の策に初めから気づいていたと言った。

 

 

 

しかし、それなら伴が何度も倒れた時点で「伴は地固め策を使うつもりか」と野獣的な勘で気づくべきだし、花形のときも田淵が無謀な三盗をした時点で長嶋が気づいてよさそうなものだ。その場合、田淵は大きなリードを取っていたので長嶋が星に言って牽制球を投げさせれば、走者協力作戦は防げたはずだ。

 

 

 

もっとも、長嶋が予想した策の場合、巨人守備陣が打者を打ち取っている。するとわざと作戦をやらせて打ち取るつもりだったか。

 

 

 

さて、花形は逆に、本塁近くの土けむりの煙幕をそのままに、ボール自体の変化を封じる「一本足打法」を使った。

 

 

 

また、本塁近くの土けむりを防ぐ策で、この長嶋でも気づかない策をやったのがロッテのアルトマン。水まき作戦である。

 

 

 

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2008年12/31
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