ドラえもん誕生は2112年9月3日の予定である。2010年から102年後だ。
2112年になったら『ドラえもん』のアニメはどうなるか。商業的に継続するかという問題は別にして、設定の上でどうなるか考えてみる。

2010年春以降のアニメではのび太は相変わらず小学生である。アニメではのび太は小学5年だから、2010年夏の作品ののび太は1999年8月7日生まれである。
もし、2112年でのび太が11歳であれば、2101年生まれになる。しかし、のび太の孫の孫・セワシは2115年で赤ん坊であり、2025年2月号の『小学四年生』を購読していることから、彼の時代の学齢の制度が今の日本と同じなら誕生日は2014年4月2日から2015年4月1日までである。
もし、ドラえもん誕生の年とされる2112年になってものび太が相変わらず小学5年生だと、のび太とセワシは14歳差。年齢の差が短すぎて、普通はもはや親子ですらない。

セワシの親は2115年で25歳ないし30歳とすると2085年から2090年までの間に生まれることになる。
セワシの親はのび太のひ孫であり、10歳になるのは2095年から2100年まで、11歳になるのは2096年から2101年までだ。
もし『ドラえもん』のアニメが西暦2101年まで続いて、その作品で「のび太が2101年度で小学5年」という設定であれば、セワシはもはやのび太の息子ということになる。
2100年代に入った時点でのび太はセワシの親世代になり、ノビスケやその息子(のび太の孫)の設定が成立しなくなる。

ここで20世紀当時の『ドラえもん』で21世紀がどういう世界として描かれていたか考えてみる。

まず、原作「りっぱなパパになるぞ!」では、西暦2002年の時点でのび太の息子・ノビスケが10歳くらいの少年に成長しているはずであった。原作は1977年3月号『小六』掲載なので、この作品ののび太は本来、1977年8月7日で13歳。ノビスケが2002年で13歳とすると1989年生まれであり、2002年で10歳なら1992年生まれである。

原作では2008年にタイムマシン發明。
2045年にツチノコブームで、これはのび太が小学生だった1975年当時から70年後。
2074年にはドラえもんが100年前(1974年)の日記を發見し、この作品ではのび太の少年時代は1974年であり、日記を書いたのはのび太の叔父・ムナシ(のび太の父・のび助の弟)であった。
なお、アニメ版「夢まくらのおじいさん」でのび助の弟が登場するが、のび助と似ており、ムナシでなくのび郎の可能性が高い。
作中で2045年はのび太の少年時代から70年後、2074年は100年後の設定であった。

したがって、21世紀後半には、すでにこれらの作品の近未来の時代設定は成立しなくなるわけだ。
2007年のアニメ版「ママのダイヤを盗み出せ」でのび太の母・玉子が7歳だったのは松田聖子のデビュー直後で、「赤いスイートピー」が出た82年とすれば、「竜宮城の八日間」の原作でのび太が小学生だった時期である。
そもそも松田聖子が「裸足の季節」でデビューしたのは1980年、その前年はてんコミ第1巻第1話でのび太が大学を受験するはずの年だった。

のび太はセワシの4代前の先祖である。のび太からセワシまですべて男系とし、父親と息子が25歳差とすればのび太はセワシより100歳上で、のび太は2015年ごろに生まれることになり、そののび太が11歳になる2026年までは『ドラえもん』の基本設定は安泰である。この場合、のび太の父・のび助は1990年生まれで、2010年では20歳。木村昴、浅田真央と同い年だ。
また、のび太の父・のび助は36歳から38歳で、のび太が10歳でこの年齢なら父この年齢差は26歳から28歳。
28歳差ならのび太はセワシより112歳上で2003年生まれ、2010年春で小学校入学であり、11歳になるのは2013年だから、28歳差でも2113年までは「セワシはのび太の孫の孫」の基本設定は通用する。

したがって「セワシはのび太の孫の孫」の設定に無理が生じるのは2025年以降である。
セワシの親(のび太のひ孫)が2085年生まれ(セワシより25歳年上)とすると、セワシの祖父は2060年生まれ。セワシの曽祖父つまりノビスケは2035年生まれである。
すると作品でのび太が常に小5、10~11歳で設定されるとすると、2046年度で小5ののび太はノビスケと同世代になって、セワシはのび太のひ孫になる。2071年度で小5ののび太はセワシの祖父と同世代になり、セワシはのび太の孫になる。2096年度でのび太が小5だと、のび太はセワシの親の世代になって、セワシはのび太の息子になるわけだ。

その場合、のび太の少年時代を1970年代に戻すか、逆にドラえもんの時代を22世紀から23世紀にする以外に、作品を続ける方法はないであろう。

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2010年6/16前後