川上哲治の経歴を扱っている。

まず冒頭の時代設定は1969年夏、飛雄馬がオズマに大リーグボール1号を打たれ、マンションで無気力になっていたとき。
一徹が長屋で春江の遺影に向かって「84+16=100」の話をして、それを聴いていた飛雄馬がマンションに帰ったのがアニメでは前回の第120話。

文庫第8巻の264ページから271ページまで。
サブタイトルは「不死鳥」で、「不死鳥」の章は306ページまでだがその初めの部分。
たったこれだけの話に、川上監督の現役時代の逸話を入れて30分番組の1話分を使っている。

長屋からマンションに戻った飛雄馬が椅子に腰かけている場面が264ページから265ページ。
花形から明子に花束が贈られたのが266~267ページ。
原作ではガソリンスタンドで花形と明子が出会ったのが初対面だったが、アニメではもっと前から合っていたので、原作で花形が「はじめてお目にかかった記念に」と書いていたのが、アニメでは「再会のなつかしさと記念に」になっていた。
飛雄馬が異様にはしゃぐ場面が267~268ページ、自分がもう過去の人間になったかのような飛雄馬に対し、明子が平手打ちをお見舞いしたのが268ページ。

その直後が269ページの上段。
下段で明子が飛雄馬に、花形と左門からの「大リーグボール2号との対決を待つ」との傳言をつたえ、飛雄馬が「ここでもかいかぶりか」と言って、屋上に逃げる。

アニメではこの下段の「ここでもかいかぶりか」と飛雄馬が言う場面と、飛雄馬が屋上に行く場面の間に川上監督の現役時代の話が挿入されている。
作中の時期から2年前、1967年秋に飛雄馬が巨人軍の入団テストに合格したとき。
飛雄馬が長屋につく前に、川上監督が一足先に長屋に着いて、一徹と話していた。そのときに長々と川上の現役時代の話が本人の口から語られていたわけだ。

原作では飛雄馬が長屋についたとき、明子が緊張して川上に茶を出しており、ここでは川上は星一徹の家に着いた直後だったはずだ。

アニメでは川上が「自分はもとは投手だった」と言い、回想シーンに入る。
└→川上哲治の現役時代(アニメ版『巨人の星』第121話「泥まみれの背番号16」)

豊福きこうが『水原勇気0勝3敗11S』で川上が星飛雄馬に与えた16番について「たとえ打撃の神様のものでも所詮は打者のもの。しかも川上は投手として入団し、失格の烙印を押された身」としている。
星飛雄馬は18番を背負うことはなかった。
そのことについての説明がここに書かれてある。

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