アニメ『ドラえもん』、2010年6月11日は「夢まくらのおじいさん」である。

南アフリカでワールドカップが開催される時期で、のび太たちはサッカー日本代表を応援。
HPを観ると、のび太の父・のび助の少年時代の絵があり、原作どおり、のび助は坊主頭。のび助の父、つまりのび太の父方の祖父は和服を着ている。
どうも昭和のイメージである。

インターネットで確認すると「夢まくらのおじいさん」は『小六』1976年12月号掲載で、『ド・ラ・カルト』でも同様だ。この場合、のび太は1964年生まれである。

『小六』の1977年3月号に掲載された「りっぱなパパになるぞ!」ののび太もこの学年なので同一人物。
1979年10月23日には早くもアニメ化されていた。

さて、原作ののび助が1975年で35歳前後だと假定すると、1940年前後生まれである。
のび助は「地下鉄を作っちゃえ」では1974年12月で36歳、誕生日後だと1938年生まれになる。
のび助が少年のび太と同じ10歳だったのは1950年ごろであり、少年時代が昭和初期風でもまだわかる。
なお、のび太の祖父はのび助より25歳上とすると1925年ごろに生まれたことになる。
のび太の祖父がのび助より30歳上なら1920年生まれ。
星一徹が推定1920年生まれ、岩田鉄五郎が1923年生まれなので、このあたり、原作初期ののび太の祖父は大正生まれか昭和ひとけた(1926~1934年)であろう。

一方、2010年でのび太が11歳の場合はどうか。
2010年でのび助が35歳から40歳とすると1970年から1975年までに生まれたことになる。
すると今のアニメではのび太の父親がイチロー(1973~)や松井秀喜(1974~)と同世代になる。
この場合、のび助が10歳くらいになったのは1980年から1985年まで。
今のアニメで「夢まくらのおじいさん」昭和の末、1980年代初めになる。

この時期、星一徹のような親父がいたかどうか疑問だ。
また、のび助が1975年生まれで、のび太の祖父がのび助より25歳上だと1950年生まれ。原作ののび助が今のアニメののび助の父と同世代になる。
のび太の祖父がのび助より30歳上としても1945年以降生まれ。今のアニメだとのび太の祖父ですら、ほとんど「戦後生まれ」になるだろう。

追加
2010年版「夢まくらのおじいさん」におけるのび太の父・のび助が2010年で38歳だったとすると1972年生まれ。アニメののび太と同じ10歳~11歳だったのは1982年から83年まで。この時代設定だと、のび助の少年時代は原作の「竜宮城の八日間」や大長編『のび太の海底鬼岩城』と同じようになり、町の様子も1980年代初めの『ドラえもん』における少年のび太の町と同じになっているはずだ。
2010年のアニメでのび太たちが「南アフリカのワールドカップに出場している日本代表を応援しよう」と言っており、時代設定は2010年である。するとのび助の少年時代は1980年代初めになっているわけで、同見てもアニメののび助の少年時代は1940年代か1950年代、1960年あたりの様子に見える。

原作の場合、1976年でのび助が38歳であれば1938年生まれであり、10歳だったのは1948年ごろ。アニメで描かれたのび助の少年時代はこの時期の様子が描かれた原作をそのままアニメにしていて、のび太の少年時代の設定だけ2010年にしている。これではのび太の父親でなく祖父の少年時代に見えてしまう。

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2010年6月 6/9