昔は道路が子供の遊び場だったが『スパイダーマン2』では子供たちがトラックにひかれそうになってスパイダーマンが助け、「道路で遊んじゃいけないよ」。
マンション構内でも公演でもボール遊びは禁止。これで五輪のときに大衆が能天気に「金メダルを期待」などと言っても本当には期待できないだろう。子供から遊びを奪い、室内のゲーム機を宣傳し、それで「子どもの体力が低下した」と嘆く社会は何であろうか。
マンション構内でも公演でもボール遊びは禁止。これで五輪のときに大衆が能天気に「金メダルを期待」などと言っても本当には期待できないだろう。子供から遊びを奪い、室内のゲーム機を宣傳し、それで「子どもの体力が低下した」と嘆く社会は何であろうか。
『ドラえもん』ではジャイアンたちが空き地で野球をし、神成さんの家の窓ガラスを何度も割っていたが、空き地でのボール遊びが禁止された様子はない。
1973年の日テレ版のアニメ『ドラえもん』は半年で終了し、1979年4月2日、テレビ朝日で復活したアニメ『ドラえもん』の第1話が「ゆめの町、ノビタランド」。てんコミ第3巻収録。『小四』1974年7月号掲載。第3巻初刊は1974年10月1日である。
『ドラえもん』の定番の一つ、「子供の遊び場不足」がテーマ。原作の第1話「未来の国からはるばると」がアニメ化されたのは少しあとになってからのようだ。
1973年の日テレ版のアニメ『ドラえもん』は半年で終了し、1979年4月2日、テレビ朝日で復活したアニメ『ドラえもん』の第1話が「ゆめの町、ノビタランド」。てんコミ第3巻収録。『小四』1974年7月号掲載。第3巻初刊は1974年10月1日である。
『ドラえもん』の定番の一つ、「子供の遊び場不足」がテーマ。原作の第1話「未来の国からはるばると」がアニメ化されたのは少しあとになってからのようだ。
「ノビタランド」の原作でノビタランドに最初に入ったのは、ドラえもん、のび太、スネ夫、ジャイアン、静香のほか、帽子をかぶった少年。これは第3巻153刷の126ページ、130ページに登場し、131ページで「いっぺん道のまん中で昼寝してみたかった」と言っているのも彼だろう。
この帽子の少年はてんコミ第9巻「トレーサーバッジ」（130～139ページ）で名前が「安雄」と判明する。
この帽子の少年はてんコミ第9巻「トレーサーバッジ」（130～139ページ）で名前が「安雄」と判明する。
安雄は◇の形のバッジを受け取っていた。安雄は帽子をかぶっているところを除くと出木杉に顔が似ており、むしろ、『パーマン』のミツ夫、『バケルくん』のカワル、『みきおとミキオ』のみきおに似ている。
「ノビタランド」の安雄は1979年テレ朝版では顔がまったく違っている。その後、アニメでは第2話以降、登場していないようだ。
『スマステーション』でも「謎の少年」として扱われていた。
「ノビタランド」の安雄は1979年テレ朝版では顔がまったく違っている。その後、アニメでは第2話以降、登場していないようだ。
『スマステーション』でも「謎の少年」として扱われていた。
もう一人、「はる夫」という少年がおり、太めだが、ジャイアンと違って温厚なタイプのようだ。
第40巻「ふつうの男の子にもどらない」（85年『小五』5月号）で安雄（帽子）とはる夫（太め）が登場する（『ド・ラ・カルト』125ページ）。
一方、てんコミ第22巻「税金鳥」ではいつものレギュラーに加えてはる夫らしき少年と出木杉が登場。
しかし、税金鳥はこのはる夫らしき少年を「金尾タメルドノ」と表現している。
第40巻「ふつうの男の子にもどらない」（85年『小五』5月号）で安雄（帽子）とはる夫（太め）が登場する（『ド・ラ・カルト』125ページ）。
一方、てんコミ第22巻「税金鳥」ではいつものレギュラーに加えてはる夫らしき少年と出木杉が登場。
しかし、税金鳥はこのはる夫らしき少年を「金尾タメルドノ」と表現している。
原作の最終コマ、のび太はドラえもんに土地を作る機械を要求するがドラえもんは「土地は作れない」との回答。てんコミ第9巻「無人島の作り方」でドラえもんは海底火山を噴火させ、無人島を作ったが、すぐに不動産屋や各種企業などが押し掛け、島は国の土地とされた。ここでのび太はドラえもんに「空中に土地を作る機械」をねだって終わる。
てんコミ第38巻「石器時代のホテル」では空き地での野球ができなくなり、ジャイアンとスネ夫が怒っていた。土地の所有者、区切りが決められた現代の地球上では子供の遊び場はないわけだ。
これは1989年の大長編『のび太の日本誕生』につながる。
日本国の土地制度で遊び場を奪われたのび太、スネ夫たちが石器時代の地球に行き、そこでの彼らの活躍が日本国を生んだというのも皮肉な話である。
これは1989年の大長編『のび太の日本誕生』につながる。
日本国の土地制度で遊び場を奪われたのび太、スネ夫たちが石器時代の地球に行き、そこでの彼らの活躍が日本国を生んだというのも皮肉な話である。
『新・のび太の宇宙開拓史』ではジャイアンたちがコーヤコーヤ星（荒野荒野星?）で思い切り遊んでいたし、『のび太のワンニャン時空伝』でもジャイアンが3億年前の地球で遊んでいた。
今の世界では住む家も失った人、仕事をしたくても就職できない人が多い。今の世界に「ドラえもん」が必要だとすれば、それは太古や宇宙にも一つの地球、もう一つの世界を作ることではなかろうか。
今の世界では住む家も失った人、仕事をしたくても就職できない人が多い。今の世界に「ドラえもん」が必要だとすれば、それは太古や宇宙にも一つの地球、もう一つの世界を作ることではなかろうか。
のび太たちにとって「自由に遊べる土地がない」という問題は「ゆめの町、ノビタランド」「無人島の作り方」でもテーマとなっており、「のび太の日本誕生」はそれと「石器時代の王さまに」が融合した作品だった。
10:14 - 2015年7月14日
10:14 - 2015年7月14日
そもそも「空き地」というのは子供の遊び場ではなく、建築や道路工事などの荷物置き場、あるいは駐車場などに利用されるもので、今では空き家が取り壊された跡地がそれに近いだろう。「ノビタランド」を描いた藤子・F・不二雄氏が子供の視点を持っていたのは凄い。
10:31 - 2015年7月14日
10:31 - 2015年7月14日
下のコメントについて
情報提供、ありがとうございます。日テレ版のエンディングに確かに帽子（cup）の少年が出ていますが、やはり安雄をモデルにした少年のようです。しかしやはり顔が違っており、テレ朝版第1話の帽子の少年は面長に「整形」されたのに対し、日テレ版の帽子の少年は原作通り、丸顔に近いようです。設定上、同一人物かわかりません。日テレ版の最終回ではドラえもんは未来の世界に帰ったのに対し、ガチャ子はのび太の時代にしばらく留まると言っており、その後、ガチャ子が見られないのは残念です。
情報提供、ありがとうございます。日テレ版のエンディングに確かに帽子（cup）の少年が出ていますが、やはり安雄をモデルにした少年のようです。しかしやはり顔が違っており、テレ朝版第1話の帽子の少年は面長に「整形」されたのに対し、日テレ版の帽子の少年は原作通り、丸顔に近いようです。設定上、同一人物かわかりません。日テレ版の最終回ではドラえもんは未来の世界に帰ったのに対し、ガチャ子はのび太の時代にしばらく留まると言っており、その後、ガチャ子が見られないのは残念です。