映画第1作は原作が始まって10年後にできた作品であった。
原作が始まったときに生まれた世代が10歳になったときに映画が始まったわけだ。

2010年は映画30周年であると同時に原作40周年である。
てんコミの原作とアニメでは、のび太は10歳または11歳。
10歳とすると原作開始当時、10歳だった世代は2010年で50歳。
映画が始まった当時、10歳だった世代は2010年で40歳。

つまり2010年の時点で「原作ドラえもん世代」は50歳以下、「映画ドラえもん世代」は40歳以下である。

『ドラえもん』は1970年代の半ばにその基本設定ができあがっていた。
野比家のテレビが白黒からカラーになった時代、買い物はレジ袋どころか買い物カゴ、子供が大人のためにタバコを買いに行かされていた。空き地の土管もそうである。

かつてドラえもん自身もやっていた「恐竜狩り」、さらにドラえもんがのび太の家に居候を始めた理由である「歴史の改変」すらも1980年代以降の『ドラえもん』では犯罪またはそれに近い行為とされるにいたった。
ドラえもんはのび太を成長させるためにアドバイスはするが、最終的にのび太や静香が誰と結婚し、どういう大人になるかについては、一歩引いた立場に退いている。

「石器時代の王さまに」なろうとしたのび太は狩猟採集社会に適応できず、サルと勘違いされた。
人間は持っている物では尊敬されないのである。

『ドラえもん』は映画30周年だが、『機動戦士ガンダム』も30周年である。
「鉄人兵団」の例もあるように『ドラえもん』もロボット漫画であり、日本のロボット漫画、ロボットアニメの潮流は手塚治虫と横山光輝という2代巨匠にさかのぼり、石森章太郎、永井豪がこれを強化させた。

日テレ版『ドラえもん』の裏番組が『マジンガーZ』であったこと、テレ朝『ドラえもん』初期に『Dr.スランプ』が登場したことなど、今となっては日本のロボット漫画の歴史のエピソードとして見ていいだろう。

映画『ドラえもん』の監督は「40周年、50周年を目指す」とコメントしているらしい。
映画40周年は原作50周年であり、映画50周年は原作60周年である。
原作が始まったときの「初代」のび太は映画40周年のとき60歳、50周年のとき70歳である。
そこまで続いたらもはや1980年当時はおろか、2010年前後の映画ともある意味で別世界であろう。ただ、『ドラえもん』の基本的な世界観は受け継がれるであろうが。
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