日テレ堺版西遊記と原作II

金角と銀角
金角と銀角は原作では兄弟だが、日テレ堺版では夫婦。瓢箪の話はほぼ同じ。一度吸い込まれた悟空が術で脱出し、悟空の弟を名乗って再度戦う。原作では偽名を呼ばれて振り向いても吸い込まれるが、日テレ版では吸い込まれない。日テレ本木版では三蔵(演:宮沢りえ)と悟空(演:本木雅弘)が瓢箪に吸い込まれ、一度溶けてしまうが、瓢箪から流れ出た後で復活する。

なお、金角と銀角は映画『ドラえもん・のび太のパラレル西遊記』にも登場する。
『パラレル西遊記』は「金角と銀角の瓢箪の話」と「牛魔王と羅刹女、火焔山と芭蕉扇の話」を合わせた話になっている。

悟空破門
原作では白骨妖怪だったが日テレ堺版では赤黄青三色の男3人の妖怪。若い娘、老婆、男の年寄りに化けて妖怪が三蔵に接近。悟空は彼等が妖怪だと見抜き撃退するが、妖怪は偽の死骸を残して逃げる。三蔵らは悟空が人を3人も殺したと思い、悟空は破門される。沙悟浄が宝象国王女のてがみを携え、使者となって国王に援助を頼むが、人間の兵士は妖怪と戦う気力がない。沙悟浄は水簾洞に戻った悟空をたずね、三蔵を救出する。

女人国
女だけの国で、飲めば懐妊する水がある。原作と中国中央TV版ではで三蔵が妊娠するが、日テレ版では三蔵は妊娠せず、猪八戒と沙悟浄が妊娠。

芭蕉扇
日テレ堺版の展開はほぼ原作通り。牛魔王と孫悟空(演:堺正章)の空中戦が見もの。ただし遠くからの撮影とアップの繰り返しで模型を使っているのがはっきりわかる。フジTV香取版でこういった特撮をCGで再現しなかったのが怠慢。
『のび太のパラレル西遊記』では歴史上実在した人物としての玄奘が登場。長旅に相応しい逞しい男の僧侶として設定。

中国中央テレビ版『西遊記』で唐僧・玄奘を演じたのは迟重瑞。
日本ではDVDやHPなどで「遅重瑞飾」と紹介されている場合があるが、「飾」は「~が演じた」という意味である。

//www.chinasoft.co.jp/catalog/1-dorama/saiyuki/main.html
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www.chinasoft.co.jp/catalog/1-dorama/saiyuki/main.html(中央TV)
www.vap.co.jp/saiyuki/(79年、日テレ)

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2010年2/8


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