太古、天地は一つに解け合い、それが固まって4つの大陸・東勝神洲、西牛貨洲、南瞻部州、北倶盧洲ができた。その中の1つ、東勝神洲の花果山で石ザル誕生、美猴王を名乗る。すみか(住処)は水簾洞。
岩波文庫『西遊記(一)』が参考になる。

美猴王が仙人のもとで修行し妖術を覚え、孫悟空の名をもらう(原作と中国中央TV版にあるが、日テレ堺版では割愛)。孫悟空が敵と戦い、騒ぎが天帝の耳に届く。「天帝」は道教の世界観による。千里眼と順風耳が報告。

孫悟空が混世魔王との戦いで武器の必要性を痛感。「閉水の法」(どうして「開水」でなく「閉水」なのか?)で東海の竜宮へ赴き、伸縮自在の如意金箍棒を入手。悟空は「斉天大聖」を名乗る。

悟空は天界に呼ばれる。原作では猪八戒の前身は天の川の水軍の将だった天蓬元帥。沙悟浄の前身は天帝の簾の番人だった捲簾大将。日テレ堺版でも同じ。
ただ、日テレ堺版では悟空が三蔵と会う前に天界で捲簾大将(演:岸部シロー)、天蓬元帥(演:西田敏行)と逢っている。
まず、悟空が天帝の顔を見ようとして捲簾大将に阻まれる。

悟空は馬の番人を命ぜられるが、これが最下位といっていい身分であると知り、激怒。
その後、天界で蟠桃園の桃の番人となる。
蟠桃園の木の中で3000年一度熟す木の桃を食べると仙人になり、6000年、9000年に一度熟す木の桃を食べると不老不死。
悟空はその桃を食べ散らかし、西王母(日テレ堺版では天帝の母)とその侍女の言葉から蟠桃会に自分が呼ばれていないことを知り再度激怒。

悟空が二郎真君と戦う話や八卦炉を脱出する話は日テレ堺版で割愛。
ただし、二郎真君は堺版「II」の「太陽が二つの国」で登場し、原作どおり両者は戦ったことにはなっている。
八卦炉脱出は中国中央TV版(日本で Conny Video から出ている)
www.chinasoft.co.jp/catalog/1-dorama/saiyuki/main.html

原作では捲簾大将は蟠桃会で誤って玻璃の杯を壊し、下界に流された。
天蓬元帥は酒に酔って嫦娥にふざけかかって玉帝の怒りを買い、下界に追放され、誤って雌豚の胎内に入り、豚となった。
日テレ堺版で捲簾大将は悟空から身を守るため大事な宝を盾にして割り、天蓬元帥は酒に酔って月の女神にふざけかかり、天帝の怒りを買って下界に追放される。
捲簾大将は川に落とされて河童に、天蓬元帥は豚の群れに落ちて豚になる。
下界に落とされた捲簾大将にたくさんの剣のようなものが飛んできたのは原作どおり。

天帝が釋迦(演:高峰美枝子)に助けを求める。
釋迦が悟空と賭けをする。悟空は釋迦の手の平から抜けて「この世の終わり」に来たたつもりで、自分の体毛を筆に変え、「肉色の5本の柱」の一つに「斉天大聖到此一游」と書く。
しかし、それは釋迦の指だった。
釋迦は悟空を五行山に封じ込め、悟空が怪力で山を押しのけようとすると、釋迦は「唵嘛呢叭[ロ+迷]吽」の札を上に貼り付け、今度は悟空が力を入れても山は動かず。

釋迦は「南瞻部州で人々の争いが絶えない」と嘆く。天竺は西方極楽世界で孫悟空の故郷は東の大陸。こうなると謎だらけである。

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2010年2/8