書籍、番組、ネットの情報を綜合すると、風車の弥七はもともと義賊の忍者で、のちに光圀の部下になったようだ。
のちに参加する飛猿、お銀も忍者で、光圀の敵だったがのちに部下となり、お銀と飛猿は『外伝』では光圀から全権委任されて代理で旅をするまで、信頼を得ている。

八兵衛はもともとスリで、弥七に憧れて弥七を「親分」と呼んでいた。
そうなると本来、八兵衛が弥七の助手を担当するはずであろう。

しかし、結果として飛猿とお銀が弥七のサポートを担当し、場合によっては弥七が「休み」で諜報も通報もお銀と飛猿が担当したこともあった。
佐野浅夫版の最終シリーズでは中谷一郎が高齢だったせいか、弥七は登場しなかったらしい。

里見浩太朗が光圀を演じるようになったあと、弥七、八兵衛のそれぞれの役割を受け継ぐ部下が何人か入れ替わりで光圀たちをサポートしていた。
第40部でうっかり八兵衛がちゃっかり八兵衛に正式にバトンタッチしており、弥七は俳優が前と違っているが、どうも設定上は前の弥七と同一人物のようにも見える。

ちゃっかり八兵衛を演じているのは林家三平を襲名した若手落語家であるが、弥七の後継者は野村将希が演じた飛猿や照英が演じた鬼若のような別のキャラクターか、内藤剛志が演じるように役者を変えた弥七のようで、八兵衛がそのまま弥七の代わりの仕事をすることはないようだし、八兵衛が弥七の名を継ぐこともないようだ。
結局、八兵衛は弥七の子分のままで、いつまでたっても弥七の後継者にはなれないようである。

光圀に仕えたとされる松之草村小八兵衛という忍者がいて、この小八兵衛が「風車の弥七のモデル」だという説があるようだが、これは番組の公式設定ではないらしい。

インターネットで観たところ、東野英治郎版第3部で時代設定が元禄3年(1690年)と判明しているらしい。したがって、弥七は光圀が隠居した1690年にはすでに光圀の部下だったようだ。
弥七が光圀の配下になったのが光圀の藩主時代ならもっと前だが、隠居後であれば1690年からになる。
そして、第40部でのうっかり八兵衛からちゃっかり八兵衛への交代は、松尾芭蕉が生きていたころなので1694年までの話である。

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2010年1月 1/20 1/19~25