合計20話収録されている。一部について解説する。
なお、雑誌掲載当時の読者の学年はそのまま、のび太の学年に相当すると考えていいだろう。

「スパルタ式にが手こくふく錠」と「にが手タッチバトン」
(84年『小五』1月号、読者は83年度で11歳、72年度生まれ)
「ネズミ年」なので正月から不機嫌なドラえもん。これも最近、アニメ化された。
2008年の正月のアニメだったと思う。そのせいで、原作を観ると頭の中でドラえもんの声が水田わさびに、のび太の声が大原めぐみになっている。
ドラえもんが20世紀の野比家に来てからの「ネズミ年」は1972年、1984年、1996年、2008年の4回である。なお、この原作の最終コマでのび太のもとに来た年賀状の1枚を観ると、「1984年」だとわかる。
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ユメコーダー
(74年『小六』3月号、読者は73年度で12歳、1961年度生まれ)
これも雑誌掲載時に読んだ記憶がある。『大全集』第1巻に収録されている。
1974年3月と言えば『ドラえもん』が一度はその終止符を打った時期である。

人気歌手翼ちゃんの秘密
(86年『小六』1月号、読者は85年度で12歳、73年度生まれ)
伊藤翼を追いかける週刊誌『フライカス』(『フライデー』+『フォーカス』)の記者、つまりパパラッチが登場するが、ジャイアンが二度も撃退していた。ジャイアンの歌は役に立つ。

流れ星ゆうどうがさ
(90年『小三』12月号、読者は90年度で9歳、81年度生まれ)
これは「みんなが選ぶ心に残るお話30」の一つに選ばれた。

イイナリキャップ
(73年『小五』12月号、読者は73年度で11歳、1962年度生まれ)
これも『大全集』に収録されている。

まほうの地図
(71年『小二』4月号、読者は71年度で8歳、1963年度生まれ用)
地図に印をつけて身体に巻くとテレポートできる。「どこでもドア」の設定が定着していなかったころの瞬間移動装置である。

「合体ノリ」でハイキング
(76年『小六』8月号、読者は76年度で12歳、1964年度生まれ)
これも「どこでもドア」の設定が定着する前の話のようで、ドラえもんとのび太が遠くへ移動する場合、動物と合体している。帰るときドラえもん、のび太、静香が合体して子供1枚でバスに乗ったが、この場合、タケコプターを使ってよかったはずだ。
さすがに70年代後半の作品は雑誌で読んだことがあるようで、かすかに記憶に残っている。この「合体ノリ」の話も読んだことがある。

ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー
(82年『小四』10月号、読者は82年度で10歳、72年度生まれ)
東西冷戦の風刺のようで、確かアニメで見た記憶がある。
この単行本収録作品のサブタイトルでは、道具名とそれ以外の語句の組合せの場合、これだけ道具名が「」でくくられていない。

強力ウルトラスーパーデラックス錠
(89年『小三』9月号、読者は89年度で9歳、80年度生まれ)
2010年1月15日放送の「大パニック!スーパー赤ちゃん」はこれであろうか。

45年後……
(85年『小六』9月号、読者は85年度で12歳、73年度生まれ)
2009年12月31日アニメ化。
ネットで調べると声優交代直前、2005年3月11日にもアニメ化されたらしい。

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2009年12月
2010年1月 1/12