『必殺仕切人』は『必殺仕事IV』と『必殺!主水死す』の間で、勇気が主水グループから離れていた時期の話である。『仕切人』第5話「もしも鳥人間大会で優勝したら」で平賀源内(1728~1779)が登場するが、これは1780年以降であっても同名の弟子、子や孫、子孫がいたと解釋してよかろう。
└→もしも平賀源内に2世、3世がいたら(壱)

ここで、『仕切人』の時代設定を天保後期、1840年代に限定して考えてみる。
すると、『仕事人アヘン戦争へ行く』が『仕事人IV』のグループによる仕事を描いていることから、天保後記の「仕切人」グループは1842年以降に活動していたことになる。
そして、勇次と秀が主水グループから離れていた時期、主水たちは組紐屋の竜、花屋の政を新たに仲間に入れたのだが、その過程が描かれた『仕事人意外伝』の舞台が1843年から1844年までらしい。

そして、『必殺!主水死す』によると、葛飾北斎が没した1849年当時、主水はまた秀、勇次と組んでいる。
その後、1851年に主水が水野忠邦を暗殺したあと、あの小屋での主水の爆死につながる。

天保の主水が1851年(嘉永4年)と假定し、さらに『仕切人』の時代設定が主水生前のこととすると、『仕切人』の時代設定は1842年から1851年までである。

1841~1842年 主水が北町奉行所から南町奉行所に異動(『必殺仕置屋稼業』)
1842年___ 主水、秀、勇次らが香港で出張仕事(『仕事人アヘン戦争へ行く』)
1842~1843年┐秀が江戸を去り、主水が裏稼業を休止(下注釋
______├勇次がお国たちと裏稼業(『必殺仕切人』) 
1843~1844年│主水が組紐屋の竜、花屋の政と出会う(『意外伝』) 
1844年___│主水が鳥居耀蔵を暗殺(『オール江戸警察』)
______│└→主水の仲間は三味線屋(演:田村亮)、平田深喜、鶴、加代
______│主水が大利根川原で平田深喜と対決?(『意外伝』)
1849年___│葛飾北斎没。秀、勇次が主水と組んで裏稼業(『主水死す』)
1851年___┘水野忠邦没(『主水死す』)

@kyojitsurekishi
平賀源内(1780年没)が登場した鳥人間大会の話を例外とすると、アヘン戦争終了(1842)から水野忠邦没(1851)までの9年間か。
16:33 - 2016年4月6日


ほかの時代設定の可能性や映画『必殺!三味線屋・勇次』等に関してはこちら。
└→補足

前後一覧
09年11/6 11/6前後 11/8

関連語句
勇次 平賀源内 長谷川平蔵 仕切人 仕切人 1842年 1851年 仕切人 勇次


注釋
秀が江戸を去り、主水が裏稼業を休止
これは『アヘン戦争』と『意外伝』の間で、テレビの必殺シリーズでは『必殺仕事人IV』最終回に相当するが、実際に『IV』最終回で描かれた主水グループの解散は天保末期ではなく、文政か幕末のできごとできごとと思われる。1842年から1843年にかけての時期、南町奉行は鳥居耀蔵であったが、『仕事人IV』最終回で主水が暗殺した南町奉行は戸浦六宏が演じた山岡銀二郎であった。鳥居耀蔵は『江戸警察』で主水によって暗殺され、幕府は公式には解雇して丸亀藩へ送ったことにしたが、鳥居失脚は1844年であり、『意外伝』の終盤で主水が平手造酒を暗殺する前の話である。『意外伝』の冒頭は1843年から始まっていたようなので、『江戸警察』の途中から『意外伝』の話が重なり、『意外伝』の冒頭とラストシーンの間に『江戸警察』のラストシーンが入ることになる。
1842年のアヘン戦争終結から1843年までの間に秀が江戸から去った場面は、テレビの必殺シリーズでは描かれていないことになる。


参照
インターネットの情報をもとにした必殺シリーズ時代設定年表(天保中心)
必殺シリーズ(2009年11月)