「仕置人」から「仕事人」へ:天保

◇1835年、ハレー彗星接近時の『激闘編』の主水は時代から言えば「天保」の主水に入るが、『仕置人』→…→『仕事人』の流れでは、この時期は天保の『仕置屋』などより前の時代になってしまい、文化・文政の主水の延長になる。
◇また、非主水では『必殺からくり人』がこの前後の1832年(鼠小僧処刑)から1839年(蛮社の獄)までの時代を描いている。さらに『必殺まっしぐら!』第8話「相手は大阪の大塩平八郎」は1837年に大塩の乱を起こした大塩平八郎を描いているものと想われる。
ネットで検索すると時代設定は乱の4年前、1833年(天保4年)だったらしい。
Y!Japan必殺まっしぐら! 天保4年 大塩平八郎で検索

◇主水は『旋風編』で「8年前、虎の元締から銀平の話を聴いた」と語っていた。これは1811年のことか。そうなると時代が合わないが、作中で語られる年月は矛盾だらけなので、仕方がない。

◇『仕置人』から『仕事人』までの裏稼業の変化が1年ごとに起きたとしてみると、問題が生じる。『仕置屋』で主水が南町奉行所に異動となったのが鳥居奉行就任の1841年とすると、1842年に「仕業人」となり、『新仕置人』で再び「仕置人」になったのは1843年になる。『仕事人アヘン戦争へ行く』を清国とイギリスの戦時中だった1840年から1842年までの期間とすると、問題は『仕事人大集合』で錠と虎が登場している件である。
◇『仕事人大集合』は『必殺仕事III』のスペシャル版で、『仕置人』、『仕事屋』、『からくり人』、『新仕置人』よりもあとの話だ。
◇そのあとの『仕事人アヘン戦争へ行く』は『仕事人IV』のSP版である。『大集合』で錠が主水チームに再び参加し、ここでおりくと勇次は錠と初対面。『アヘン戦争へ行く』でおりくは錠と再会しており、それは話の流れから『大集合』のあと。『大集合』は『新仕置人』の虎が江戸を離れて大坂で裏稼業を仕切っていた話なので、『新仕置人』は『大集合』の前であり、したがって『仕置人』から『新仕置人』までは『アヘン戦争』の時代設定よりも前の時代になる。
◇そこで、『アヘン戦争』の話が戦争終結の1842年とした場合、『仕業人』から『大集合』まで1842年ごろに起きた話とすると、次のようになる。

◇この場合、非主水『必殺必中仕事屋稼業』のおせいが『仕事屋』だったのは主水編『商売人』より前の話で、『仕事屋』の半兵衛は『大集合』で秀と組んでいるので、『仕事屋』は1842年より前の話になる。
◇また、1839年の蛮社の獄で壊滅した「からくり人」の生き残り・仕掛の天平が1842年ごろに虎の元締めの用心棒として主水に接近した。
◇非主水『新必殺からくり人』は1844年の高野長英脱獄から話が始まり、長英が江戸に戻るところで終わり、『富嶽百景』はその続編。

◇そして天保時代が終わったあと、1849年(嘉永2年)に北斎が没したときから、1851年の水野忠邦没のときまでの間に、主水は『主水死す』で殉職したようだった。
時代劇感想文集必殺!主水死す

『必殺!三味線屋勇次』は主水死後の話のようで、黒船はまだ来ていないようだから、1849年から1853年(嘉永6年)までに入る。

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2009年10/30 [1] [2]