敬遠は「勝負」のうちに入るのか・補足

『ドカベン』で山田太郎が高2春のときの選抜甲子園、江川学院との試合で、江川学院の中二美夫(あたるふみお)が山田太郎を5打席連続敬遠した。

設定上はその半年前に当たる山田高1秋の関東大会を描いた少年チャンピオン・コミックス第25巻から初刊が1977年に入っており、高2春の選抜に入って第30巻で1978年初刊になっている。

中の登場と明訓と江川学院の試合は少年チャンピオン・コミックス第28巻から第29巻にかけて収録されているようだ。
したがって、中が山田を連続敬遠した場面は1977年に描かれたと考えてよかろう。

1992年夏の甲子園で松井秀喜が5打席連続敬遠されたのは、『ドカベン』での描写から15年後であった。
松井秀喜は1977年当時、3歳だったはずだが、1992年には18歳になっていたわけだ。

『ドカベン』の文庫巻末に収録された松井秀喜のインタビュー記事によると、この連続敬遠のとき、翌日のスポーツ新聞に水島新司が怒りのコメントを寄せていたらしい。

さて、『ドカベン・プロ野球編』では山田太郎は城島健司と同じ1976年生まれに設定されているので、1977年当時は1歳。
『ドカベン・プロ野球編』の山田が高校2年になったのは1993年春。
松井秀喜が連続敬遠されてから半年以上たったときのことだ。

ちなみに、松井秀喜は『ドカベン・プロ野球編』の土井垣と同い年である。

1974年 山田高1で甲子園初出場。土井垣初登場時、高3(初期『ドカベン』)
___ 土井垣誕生(『プロ編』)
1975年 山田の甲子園初出場が描かれる
1976年 山田高1秋の県大会と関東大会前半が描かれる
___ 山田太郎誕生(『プロ編』)
___ 『ドカベン』アニメ開始
1977年 山田高1秋関東大会後半から高2春選抜江川学院戦あたりまでが描かれる
___ 中による山田5打席連続連続敬遠が描かれる
___ 山田太郎1歳(『プロ編』)
1978年 山田高2春選抜土佐丸戦から夏の予選の途中まで描かれる
1979年 山田高2夏予選後半から夏の甲子園まで描かれる
___ 明訓が敗れる。アニメ終了
1980年 山田高2秋以降が描かれる

1992年 夏、松井秀喜が5打席連続敬遠される
___ 山田太郎高1で甲子園初出場(『プロ編』)
1993年 春、選抜で山田が5打席連続敬遠される(『プロ編』)


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2009年10/28