東京MXテレビ2009年10月11日放送。ウルフが阪神タイガースに入る話。
CD『ミュージックファイル』の冊子では「狼酋長現わる!」になっている。

東京MXテレビのHPでは18日の段階で「#27 狼酋長現る!」になっている。「現」のあとの送り假名が少し違うが、確かに「狼酋長」だ。
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「狼酋長」が「ウルフ・チーフ」になっているのは「酋長」を自粛した結果か、それとも別バージョンか?
なお、その前の「大砲万作の危機」のエンディング直前に放送された予告編では「おおかみしゅうちょうあらわる」と紹介されていた。

第28話「対決!魔球対スクリュー打法 」ではウルフが番場蛮のえび投げハイ・ジャンプ魔球を打つ話で、ウルフはスクリュー打法にハイ・ジャンプ打法を加えて打った。巨人のスタメンにはセカンドに土井昭三の名もあった。

ハイ・ジャンプ投法に対してハイ・ジャンプ打法というのは、タイミングと滞空時間が一致すれば、理論上は有効な方法である。
打たれた番場はマウンドを降りる。八幡は「ほかの打者に通用する」と言ったが、川上監督が割って入り「一度敗れた魔球は、セ・リーグの打者たちがよってたかって墓場に送るだけだ」と言った。

一方、のちにウルフに横分身魔球を打たれた番場が試合を投げようとしたとき、川上監督は続投を命じている。
『巨人の星』や『侍ジャイアンツ』で主人公が魔球を一度打たれると、それを封印し、試合にも出なくなることが適切かどうか、作品でも説明はされており、また状況によって描かれ方も違うようである。

この話の時代設定は1973年前期。
第29話「渦巻く恐怖の新魔球」では、番場はオールスターを辞退し、海で大回転魔球を編み出すための特訓をする。
原作では1973年の自主トレ、キャンプの時点で大回転魔球が完成しており、73年オールスターでは番場が大回転魔球を使っていた。
つまり、1973年のオールスターのとき、原作の番場は試合に出場し、アニメの番場は辞退して海で特訓をしていたことになる。

番場はライバルには魔球を使うが、他の打者に対しては剛速球だけで打ち取ることが多く、最後の打者を打ち取るときなど、節目節目で魔球を使っているようだ。気の毒なことにプロの実在の打者が「やられ役」になってしまい、劇中で彼らより新人のはずのライバル打者のほうが主人公の速球も魔球も打てる意味で、強そうになるのも野球漫画の性質か。『巨人の星』終盤で当時南海ホークスの野村克也、ロッテのアルトマンが大LB2号を打ったのは、そういう「実在の打者の活躍が少ない」という批判への対応だったのかも知れない。

これは、また、「一度打たれた魔球を投げ続けても、そう通用するものではない」という梶原一騎のメッセージだったとも考えられる。

その後、番場は伊豆の海へ。1973年8月19日、巨人は大洋に敗れ、4位のまま後半戦に突入することとなった。