39ページでは、日本の『古事記』に卑弥呼の名がないことが紹介され、「卑弥呼の存在は日本で忘れ去られたのか」という趣旨の解説文がある。
しかし、卑弥呼の存在を示すのがシナの歴史書だけであればむしろ、シナの歴史書のほうを疑ってみるという考えもあるだろう。『漫画日本史』で『古事記』の内容について書かれてあるのはここくらいである。

なお、この39ページで、卑弥呼とされる人物で神功皇后、天照大神、倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)の名があり、神功皇后と天照大神の名について述べてあるのもここくらいのようだ。

なお、『漫画日本史』では38ページで卑弥呼の即位が西暦180年ごろとしてあり、41ページ左下では卑弥呼が即位するまでの倭国の大乱が西暦188年ごろまでとしている。卑弥呼没年は41ページで「248年」とあり、巻末の「日本史人物カード」では卑弥呼の生没年を「?~249年?」としている。

学説の揺れが誌面の記述に反映されたか。

『マンガ日本史』によると、卑弥呼の読み「ヒミコ」は「ヒムカ」「ヒミカ」だったとする説もあるらしい。

「ヒムカ」であれば、「日向」が本来、*「ヒムカヒ」、*「ヒムカ」だったとすると、確かに似ている。
九州説をとなえる人の説であろうか。

「ヒミカ」は永井豪原作の『鋼鉄ジーグ』に出てくる敵の名で、ヒミカはハニワゲンジンをひきいるジャマタイ王国(インターネットで「ハニワ幻人」「邪魔大王国」とある)の女王である。

『ドラえもん』の「タイムマシンがなくなった!!」でドラえもんとのび太が弥生時代の日本を訪れたとき、ヤマタノオロチ(八岐大蛇)のことをドラえもんは知っていたが、のび太は知らなかった。
今の日本の歴史教育が『古事記』『日本書紀』の神話的世界を軽視しているなら、それも致し方のないことであろう。
なお、ヤマタノオロチは『週刊マンガ日本史』では第4号、里中満智子が描いた聖武天皇の漫画が収録された号の33ページでやっと紹介されている。