「恐竜が出た!?」では高井山に恐竜が出現。もとはドラえもんが観てきた「大恐竜展」のパンフレットが「ほんもの図鑑」のように、本物が出る仕組みになっていて、そこから出たもの。
ただ、パンフレットから出た恐竜は小さいままで、スモールライトの効果で巨大化した。

高井山にはアメリカやソ連から調査隊が来たようで、つまりソビエト連邦の存在した時代。
『ドラえもん』の時代設定が1970年以降とすると、それから1991年までの間の話だ。
恐竜出現を報じる新聞には「昭和54年」(下注釋)とあるように見える。

その次は「未来の町にただ一人」。
ドラえもんの時代は2125年、野比家の住所はトーキョーシティ・ネリマブロック・ススキガハラストリートであるから、今の言い方では「東京都練馬区すすきヶ原通り」になるか。

野比家はのび吉からのび太までの75年間(1910年から1985年まで)は同じ場所にあり、のび吉が庭に埋めたものものび太が掘り出すことができたが、のび太が成人になると引っ越した。
野比家はのび作、のび左エ門などの先祖がおり、巻き物も残っている家。引っ越しの際、先祖の遺品はどうなったのだろうか。

その次が「いばり屋のび太」。
のび太がタイムふろしきで大人の姿になっていばりちらす。そこへ少年の姿ののび太がドラえもんと一緒にかけつけて、大人ののび太をどなりつける。
大人ののび太はその場に来ていたドラえもんのタイムふろしきで少年に戻り、タイムマシンで15分前に戻る。のび太は大人の自分を観て「みっともない…」。

さて、ここでこのドラえもんはどちらののび太の世界のドラえもんであろうか。
この漫画のラストでは、少年のび太が大人ののび太に「よせよ、みっともない!!」と叫ぶ場面で終わるが、そのあとは、そこにいた大人ののび太がドラえもんと一緒に家に戻り、少年の姿になって、タイムマシンで15分間、時間をさかのぼることになる。そのあとは、またこのドラえもんがその場にいた大人ののび太を連れて家に戻り、15分前の空き地に…という繰り返し。

つまり、「いばり屋のび太」のドラえもんは15分離れた二つの時刻を永遠に往復することになる。
これはまことに不思議である。
第14巻「無人島へ家出」でのび太が10年余計に生きたことよりも、ドラえもんが10年間、どうしていたか、その後、のび太をもとの時代に戻したらどうなったかということのほうが問題である。

ちなみに、「無人島へ家出」でのび太が「どうなってんの? ぼくがおとなになったら、このまんがおしまいじゃないか!」という台詞は雑誌掲載当時にはなかった。


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09年9月末 10/1

関連語句
恐竜が出た(タイトル検索) 恐竜が出た(内容検索)


注釋
「昭和54年」
西暦にすると1979年。これはてんコミ第1巻「未来の国からはるばると」でのび太が大学を受けて落第する予定だった年である。