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成美堂出版から1994年に出た本で、細川内閣誕生の翌年である(ただ、Amazonで検索すると、もとの本は83年に出たとある)。綱吉の時代から吉宗の誕生、さらに没後の田沼時代、松平定信の寛政の改革まで書かれてあり、非常に参考になる。特に、吉宗が幼少のころ、江戸城で綱吉に謁見したときのことが詳しく書かれてある。また、1708年のシドッチ来日の話もあり、『ガリバー旅行記』(ガリバーが1709年に来日したことになっている)と比較すると興味深い。
成美堂出版から1994年に出た本で、細川内閣誕生の翌年である(ただ、Amazonで検索すると、もとの本は83年に出たとある)。綱吉の時代から吉宗の誕生、さらに没後の田沼時代、松平定信の寛政の改革まで書かれてあり、非常に参考になる。特に、吉宗が幼少のころ、江戸城で綱吉に謁見したときのことが詳しく書かれてある。また、1708年のシドッチ来日の話もあり、『ガリバー旅行記』(ガリバーが1709年に来日したことになっている)と比較すると興味深い。
タイトルにあるように、徳川吉宗や大岡忠相ゆかりの史蹟が写真で紹介され、『大岡越前』でも有名な「しばられ地蔵」の写真も掲載されている。また、比較のため、享保の改革の末期から100年後の天保後期に北町奉行になった遠山金四郎についても少し書かれてある。
この『徳川吉宗―物語と史蹟をたずねて』が出たとき、すでに吉宗のイメージは『暴れん坊将軍』によって定着していた。井口氏は吉宗の虚像に挑戦し、また、行財政改革の視点から執筆したと「あとがき」で述べている(下注釋)。
この『徳川吉宗―物語と史蹟をたずねて』が出たとき、すでに吉宗のイメージは『暴れん坊将軍』によって定着していた。井口氏は吉宗の虚像に挑戦し、また、行財政改革の視点から執筆したと「あとがき」で述べている(下注釋)。
綱吉の治世から松平定信の時代まで書かれてあるので、この本を観ると元禄時代に浪費が進んで享保の改革で縛りが強まり、田沼時代にまた縛りが緩んで定信の寛政の改革という流れがよくわかる。
さらに寛政の改革のあとは文化・文政時代で文化が盛んになり、そのあとに天保の改革となっている。
江戸時代はバブル経済のような文化の成長期とそれに対する反動と言うべき改革の繰り返しだったのだろう。
この本の本編は1792年、ラックスマン来日で終わる。吉宗の没年、1751年に生まれた大黒屋光太夫が帰国したときである。遠山金四郎が生まれたのはその翌年、1793年とされる。
遠山金四郎が没したのは1855年、黒船来航のあとに日本とアメリカとの間に日米和親条約が締結された1854年の翌年であった。
さらに寛政の改革のあとは文化・文政時代で文化が盛んになり、そのあとに天保の改革となっている。
江戸時代はバブル経済のような文化の成長期とそれに対する反動と言うべき改革の繰り返しだったのだろう。
この本の本編は1792年、ラックスマン来日で終わる。吉宗の没年、1751年に生まれた大黒屋光太夫が帰国したときである。遠山金四郎が生まれたのはその翌年、1793年とされる。
遠山金四郎が没したのは1855年、黒船来航のあとに日本とアメリカとの間に日米和親条約が締結された1854年の翌年であった。
前後一覧
関連語句
吉宗 井口朝生 徳川吉宗 物語と史蹟をたずねて
注釋
行財政改革
「行財政改革」は1980年代の初め、鈴木善幸内閣の時代(1980~82年)のときからテーマになっていた。インターネットで再確認すると、あの「メザシの土光さん」の時期である。
1990年代初めのころは「政治改革」が合言葉で、1991年から92年まで放送された『必殺仕事人・激突!』でも政治改革がテーマになったことがある。
現在、小泉政権による「構造改革」が批判されているが、そもそも細川内閣の時代から「改革」が必要とされていたし、「規制緩和」もそのときから日本の課題だったのである。終身雇用からの脱却、派遣労働などは、若者、働き手のほうが望んでいたはずだ。「構造改革」が「保守」か「革新」かあいまいなまま選挙に突入し、選挙戦の終盤になって麻生首相は「保守政治における改革」の話を出したようだが、すでに遅かったようだ。
参照
徳川光圀と吉宗の年表
『中央公論』『「超」リタイア術』『SAPIO』『COMIC乱』『FLASH』
石倉新三郎『大岡越前守忠相』(岩波新書青表紙、1974年)
時代劇(2009年8月後半)
時代劇(2009年9月~)
吉宗 井口朝生 徳川吉宗 物語と史蹟をたずねて
注釋
行財政改革
「行財政改革」は1980年代の初め、鈴木善幸内閣の時代(1980~82年)のときからテーマになっていた。インターネットで再確認すると、あの「メザシの土光さん」の時期である。
1990年代初めのころは「政治改革」が合言葉で、1991年から92年まで放送された『必殺仕事人・激突!』でも政治改革がテーマになったことがある。
現在、小泉政権による「構造改革」が批判されているが、そもそも細川内閣の時代から「改革」が必要とされていたし、「規制緩和」もそのときから日本の課題だったのである。終身雇用からの脱却、派遣労働などは、若者、働き手のほうが望んでいたはずだ。「構造改革」が「保守」か「革新」かあいまいなまま選挙に突入し、選挙戦の終盤になって麻生首相は「保守政治における改革」の話を出したようだが、すでに遅かったようだ。
参照
徳川光圀と吉宗の年表
『中央公論』『「超」リタイア術』『SAPIO』『COMIC乱』『FLASH』
石倉新三郎『大岡越前守忠相』(岩波新書青表紙、1974年)
時代劇(2009年8月後半)
時代劇(2009年9月~)