文化年間は1804年から1818年まで。文政年間は1818年から1830年まで。
河内山宗俊は1823年没。
渡辺小五郎は「わたなべしょうごろう」、歴史的假名遣いで「~せうごらう」。
経師屋の涼次は「きょうじやのりょうじ」、歴史的假名遣いで「きゃうじやのりゃうじ」。
仕立て屋の匳は「したてやのれん」と読む。
『仕事屋』は、おせいの後日談である『商売人』が文化・文政である場合、その前の話として文化・文政と解釋した。
『助け人』については、ゲスト出演した主水が「仕置人」終了直後と解釋したもの。

 

文政______主水、念仏の鉄、錠、おきん、半次(+天神の小六)・・・『仕置人』
文政?______清兵衛、中山文十郎、辻平内、為吉、油紙の利吉、島帰りの龍・・・『助け人』
文化・文政?___おせい、知らぬ顔の半兵衛、政吉・・・『仕事屋』
文政______主水、又衛門、剣之介、お歌、捨三・・・『仕業人』(脚本)
文化・文政?___主水、念仏の鉄、己代松、正八、おてい(+虎、死神)・・・『新仕置人』
文化・文政?___主水、新次、おせい、正八・・・『商売人』(河内山宗俊登場)
1819年_____主水、鍛冶屋の政、夜鶴の銀平、西順之助、お玉・・・『旋風編』
1820年_____主水、鍛冶屋の政、組紐屋の竜、壱、参、加代、秀・・・『裏か表か』
1820年_____主水、渡辺小五郎、涼次、源太、花御殿のお菊・・・『仕事人2007』
1821年_____主水、渡辺小五郎、涼次、源太→匳(れん)、お菊・・・『仕事人2009』
1828~1829年__主水、市兵衛、鶴、清吉、慎次、加代、千葉周作・・・『春雨』

 

己代松(みよまつ)は『必殺シリーズ完全百科』と『必殺仕事人2009公式ガイドブック』で「代松」である。
また、Wikipedia では「代松」である(2009年9月5日現在)。

 

文化元年が1804年で、そこからシーボルト事件の2年目まで25年。
さらに、文政元年が1818年でそれからシーボルト事件の始まりまで10年である。

 

『仕置人』の時代設定が文政であることは『必殺仕事人2009ガイドブック』で確認した。
『仕業人』の脚本段階で時代設定が文政であったことは山田誠二氏の『必殺シリーズ完全百科』で報告されている。こうなると、『仕置屋稼業』も天保のほかに文政の可能性も出てくる。

 

すると、『新仕置人』『商売人』が文化・文政だとしても、『仕置人』『仕業人』が文政であれば、文政は文化年間のあとなので、『新仕置人』『商売人』も文政ということになるが、これも『仕置人』『仕業人』が文化年間だった場合も考慮に入れることで解決できる。
なお、『旋風編』では元締め・虎が江戸で裏組織を仕切っていたのが「8年前」だったようで、これが1819年から8年前とすれば1811年。これは文化年間であり、『旋風編』の歴史観では『新仕置人』の時代設定は文化年間になる。
ここで『仕置人』『新仕置人』『商売人』の流れに注目。文化・文政時代に主水と鉄、主水と正八のコンビが続いたことがわかる。

文政______主水念仏の鉄、錠、おきん、半次(+天神の小六)・・・『仕置人』
文化・文政?___主水念仏の鉄正八、己代松、おてい(+虎、死神)・・・『新仕置人』
文化・文政?___主水正八、新次、おせい・・・『商売人』(河内山宗俊登場)

 

次に『新仕置人』『仕事人V旋風編』の流れに注目。虎と死神は江戸の裏組織全体を束ねていたわけで、主水や鉄の「仲間」ではないが、ここでは『旋風編』での主水の仲間・お玉とのつながりを明確にするため、虎と死神を主水に続けて表記した。

文化・文政?___主水、死神、念仏の鉄、己代松、正八、おてい・・・『新仕置人』
1819年_____主水お玉(虎のむすめ)、鍛冶屋の政、夜鶴の銀平、西順之助・・・『旋風編』

 

そして、文政初期と末期の加代の裏稼業を比較して観る。

1820年_____主水加代、鍛冶屋の政、組紐屋の竜、壱、参、秀・・・『裏か表か』
1828~1829年__主水加代、市兵衛、鶴、清吉、慎次、千葉周作・・・『春雨』

 

この場合、主水と加代が闇の会にかかわっている点が共通しており、また、勇次や竜の技を市兵衛が継承している点が興味深い。同様に、壱が使った力の技は清吉に受け継がれ、参のそれは鶴に受け継がれている。『旋風編』で順之助が使った筒状の鉄砲は20数年の歳月をへて、天保後期に鶴によって再現された。

 

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2009年9/2 9/3