天保の改革から黒船直前までの主水、勇次の仲間 

今度は天保から弘化、嘉永年間の前半までの裏稼業のメンバーを列挙してみた。
なお、『仕置屋』の続編である『仕業人』も天保の可能性があるが、そうだとすると『新仕置人』『商売人』にも天保だったことになる。一方、『仕業人』以降には時代設定を文化・文政にする解釋もあり、脚本や作品ではそちらが採用されている場合が多い。
ここでは『仕事屋』と『商売人』を天保と考えてみた。これは『仕事屋』の後日談である『大集合』を天保とした場合である。

1830年前後___(『主水死す』における「20年前」、主水と権の四郎が仲間?)
1832年_____花乃屋仇吉、藤兵ヱ、夢屋時次郎、仕掛の天平、とんぼ・・・『からくり人』
1833年_____秀、香車の東吉、綾麻呂、桂馬のお銀(元締めは省略)・・・『まっしぐら!』
1835年_____主水、鍛冶屋の政、組紐屋の竜、加代、壱、弐、参・・・『激闘編』
1839年_____仇吉、藤兵ヱ、時次郎、とんぼ、天平・・・『からくり人』
天保?______おせい、知らぬ顔の半兵衛、政吉・・・『仕事屋』(推定)
1840年代? ___主水、秀・・・『香港・マカオ』(推定)
1841年以降___主水、三味線屋(演:田村亮)、鶴、駒吉、剃刀の辰、加代・・・『江戸警察』
________主水、おこう、市松、印玄、捨三・・・『仕置屋』
1841~1842年?__主水、又右衛門、赤井剣之介、お歌、捨三・・・『仕業人』(天保の場合)
________主水、鉄、己代松(巳代松)、正八、おてい、虎・・・『新仕置人』(推定)
________主水、新次、おせい、正八・・・『商売人』(推定)
________主水、秀、勇次、加代、天平、半兵衛、錠、鹿蔵、虎・・・『大集合』(推定)
1842年_____主水、おりく、秀、勇次、順之助、加代、錠・・・『アヘン戦争』
1843年?_____鳴滝忍、惣太、大吉、お沢・・・『渡し人』(推定)
1843?~1844年__主水、おりく、花屋の政、組紐屋の竜、加代、順之助・・・『意外伝』
1842~1851年? _お国、勇次、新吉、虎田龍之助、お清、日増(スキゾー)・・・『仕切人』
1844年_____主水、加代、三味線屋(演:田村亮)、鶴、平手造酒(ひらてみき)・・・『江戸警察』
1844年_____泣き節お艶、ブラ平、塩八、小駒、高野長英・・・『新からくり人』
1849年まで___出雲のお艶、宇蔵、唐十郎、鈴平、うさぎ・・・『からくり人・富嶽百景』
1849~1851年__主水、秀、勇次・・・『主水死す』

己代松(みよまつ)は『必殺シリーズ完全百科』と『必殺仕事人2009公式ガイドブック』のどちらも「代松」と「代松」の2種類がある。
また、Wikipedia では「代松」である(2009年9月5日現在)。

映画『主水死す』で述べられた「20年前」から作中の展開までの20年間がほぼ、これに入る。当然、その前の文政時代、そのあとの幕末にもそれぞれ別の「中村主水」が活動していたわけで、『仕業人』については文政年間という解釋もありうる。
シーボルト事件のあと、1839年は蛮社の獄で高野長英が投獄され、1841年から天保の改革。幕府が反体制に対する縛りを強化し始めたときに、裏稼業がこれだけ集中していたというのは、やはりと言うべきか、意外と言うべきか。

仕掛の天平が1839年の「からくり人」壊滅後、『大集合』で主水に接近し、この作品で主水グループに協力した棺桶の錠が1842年に再び主水たちに協力していることがわかる。これで『大集合』の時代設定は1839年と1842年の間と推定できる(『大集合』作中でどう設定されているかは、わからない)。

1839年_____仇吉、天平、藤兵ヱ、時次郎、とんぼ・・・『からくり人』
1839~1842年?__主水、天平、秀、勇次、加代、半兵衛、鹿蔵、虎・・・『大集合』
1842年_____主水、、おりく、加代、秀、勇次、順之助・・・『アヘン戦争』

ここで、仇吉とおりくがどちらも三味線弾きであるところも共通している。

また、こうして観ると、飾り職人・秀の天保における経歴が1833年、1842年、1849~1851年の3箇所に分散している。また、『香港・マカオ』で主水と秀が「大あばれ」したのが1840年代(1991年の放送当時から150年前なので推定1841年前後数年?)とすれば、この中のどこかに入るわけだ。

『仕業人』の捨三(演;渡辺篤史)と『主水死す』の捨蔵(演;細川ふみえ)は当然ながら別人であるし、「捨“三”」と「捨“蔵”」で文字も違う。
└→天保時代~黒船直前における裏稼業メンバー(『風雲竜虎編』『春日野局』『激突!』追加)
└→天保~黒船直前における飾り職の秀、鍛冶屋の政、組紐屋の竜

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2009年9/2