連載開始直後、「ドラえもんの大予言」でドラえもんがのび太の交通事故を防いだのは1970年2月であり、「ぼくの生まれた日」でのび太が生まれたのは1964年であった。
しかし、話が進むと未来は何年後、過去は何年前という描写になり、「現在」が西暦何年か、はっきりしなくなる。
インターネットで「ドラえもん」+「年表」で検索すると、『ドラえもん』で描かれた世界が歴史年表になっている。
これらの年表では作品が掲載された時期を「現在」にしていることが多い。
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ドラえもん 年表 で検索

しかし、時代設定が明確でない場合、1970年の8月7日で10歳だったのび太が小学校を卒業する前の話とも解釋できる。
ここでは時代設定が明確に述べられているものを主に扱うことにしている。
「地下鉄をつくっちゃえ」では1974年、「竜宮城の八日間」では1982年、「ハリーのしっぽ」では1985年でのび太が小学生という具合である。これらの時代設定は確かに作品が描かれた時期とほぼ一致しているが、作品にある手書きまたは台詞の活字で確認できるものである。

また、2006年から2009年春までのアニメで、のび太が小学生である(小学生だった)世界に相武紗季、浅田真央、若田光一といった実在の人物が放送当時とほぼ同じ姿で登場すれば、当然、のび太はこれらの作品が放送されたときに小学生だったことになる。のび太は明らかに作品で「共演」したこれらゲストたちより年下である。

若田光一氏は1963年生まれなので、てんとう虫コミックス第2巻の「ぼくの生まれた日」ののび太と年齢差はわずか1歳である。若田氏はのび太より年上であっても、のび太とほぼ同世代だ。
1963年生まれの若田氏がのび太より1歳だけ年上になるのは、てんコミ第2巻「ぼくの生まれた日」に出てくるのび太の場合である。一方、てんコミ第1巻「未来の国から~」と「~大予言」ののび太は若田光一氏より3歳年上ということになる。

相武紗季は「ハリーのしっぽ」でのび太が自分の浮き輪を掘りだした1985年に生まれており、浅田真央は1990年生まれだから、第1話「未来の国からはるばると」のアルバムで青年のび太が会社を設立する予定だった1988年から、さらに2年後に生まれたことになる(注釋)。もはや、のび太の息子と同世代である。
21世紀のアニメでは、これらのキャラクターが小学生ののび太と対面しているわけだ。
「りっぱなパパにるぞ!」の原作では「25年後」が西暦2002年で、のび太の息子・ノビスケ(祖父と同じ名とすると2代目のび助?)が10歳くらい。2002年で10歳とすればのび太の息子が1992年生まれ、浅田真央より2歳年下だったことになる。

第1話の例のアルバムによると、1995年には大人になったのび太とジャイ子夫妻の家に借金取りが多数押しかけることになっていた(注釋)。この「1995年」とは1970年から25年後である。第1話においてのび太10歳の「現在」は1970年であったから、こうなるわけだ。
一方、「りっぱなパパになるぞ!」では「現在」が1977年であったから、「25年後」が2002年になったのであろう。
なお、原作「未来の国からはるばると」と「ドラえもんの大予言」ののび太が1970年で10歳、小学4年生になっていたとすると、ドラえもんと出会った1970年正月の段階では、まだ9歳5箇月、小学校3年生の冬休みであった。

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