「のび太が1964年(昭和39年)生まれというのは本当か」 

1964年生まれであれば1980年で16歳、1984年で20歳になるはずだが、のび太は小学生のままで1980年代に突入している。
「竜宮城の八日間」ではのび太が10歳の「現在」が1982年であることが、キャラクターたちの台詞から確認できる。この作品でのび太は1972年生まれ。原作第1話ののび太が小学6年の夏休みのときに生まれたことになる。
「ハリーのしっぽ」では1986年のハレー彗星接近の前年が舞台で、のび太が10歳である「現在」が1985年であることが明確になっている。こののび太は1975年生まれ。1964年生まれだったほうののび太より10歳年下である。

このように作品の時代設定の変化とともに、新しいのび太が次々と新たに生まれていると言える。

1980年代の『ドラえもん』におけるのび太は、1970年代生まれになる。1990年代のアニメののび太はほぼ80年代生まれ、90年代のアニメののび太はほぼ80年代生まれ、2000年を過ぎて21世紀になると、のび太は90年代生まれになるということだ。

さて、アニメのHPなどからの情報によると、2007年8月17日に放送されたアニメ版「ママのダイヤを盗み出せ」の中で、1980年代初め(下注釋)に松田聖子がサイン会を開いていたとき、当時7歳の片岡玉子(つまり、のび太の母親)が現場に駆け付けたらしい。
このアニメの場合、のび太の母親が1980年から1984年までで7歳だと1973年~1977年生まれである。つまり、原作における1983年から1987年までの息子・のび太と同い年になっているのである。

原作の初期ののび太が1960年~1964年に生まれたとすると、2007年のアニメでの玉子は、連載開始直後の息子・のび太より10歳年下になっている。
このように、のび太だけでなく、のび太の母親も生まれた時代が未来方向に変化しており、すでにのび太の母親が初期ののび太より年下になっている。

この2007年版「ママの~」におけるのび太は2007年で11歳とすると1996年生まれ。80年代初めにはもちろん、生まれていなかったが、「赤いスイートピー」が出た82年当時であれば、原作「竜宮城~」ののび太が10歳の少年時代を過ごしていたはずだ。「ハリーのしっぽ」に登場したのび太は85年で10歳だったので、82年当時は7歳であり、したがって、2007年のアニメ版の玉子と同い年ということになる。

もし、1980年代初めにのび太の住む町の近くで松田聖子のサイン会が開かれていたら、原作「竜宮城の八日間」ののび太や「ハリーのしっぽ」ののび太が見物に行っていたかも知れない。
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関連語句
のび太は西暦何年生まれか 1964年


注釋
1980年代初め
HPを観ると「昭和50年代」になっている。しかし、松田聖子のデビューが1980年(昭和55年)なので、玉子の少女時代の時代設定は1980年(昭和55年)から1984年(昭和59年)に限られる。
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参照
主な『ドラえもん』関連記事(2009年7月14日~)