『水戸黄門』第40部は光圀と松尾芭蕉の話

『水戸黄門』第40部では光圀が関東から東北へ向かい、松尾芭蕉も同じく東北へ旅する。

 

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松尾芭蕉 水戸黄門 第40部 で検索

 

ネットで調べると、過去の作品でも光圀と芭蕉は何度か会っており、石坂浩二が光圀を演じた話でも芭蕉が登場していた(下注釋)。
水戸の徳川光圀は1628年生まれ。松尾芭蕉は1644年に生まれ、1694年に没した。数え年51歳。芭蕉は光圀より16歳年下である。光圀が隠居になったのは1690年であるから、隠居としての光圀と芭蕉が出会ったのは1690年から1694年までの4年間(長く見積もって西暦1690年を1年目とすると5年間)に限られる。

 

1628年 光圀誕生
1644年 光圀数え年17歳。芭蕉誕生
1690年 光圀隠居。芭蕉数え年47歳
1694年 芭蕉没す
1700年 光圀没す

 

さて、堺正章が演じた松尾芭蕉(注釋)は設定では伊賀の出で、風車の弥七と旧知の間柄。
TBS『水戸黄門』は40周年であるが、光圀が隠居の身だったのは1690年から1700年までの10年間、さらに芭蕉が存命だったのは光圀の隠居から4年以内のできごと(注釋)。番組放送期間の10分の1であった。

 

水戸光圀が水戸から江戸に行き、江戸での問題を解決したあと東北へ向かう。
今回は旅立ちのところで光圀と綱吉が会う場面がなかった。おそらく綱吉役の俳優が都合で出演できず、それで城内で面会謝絶という設定にしたのだろうか。綱吉は登場人物としては重要だろうが、弥七や八兵衛とちがって、特定の俳優でないといけない理由はないだろう。

 

両替商の高麗屋の女将さんが出てきた。光圀と旧知の間柄で、両替屋は今で言えば銀行だから、高麗屋は日本一の銀行、日銀みたいなものか。
藝者や町人が幕府直参に抵抗するくらい、身分制度が不安定なのに、光圀の葵の家紋に皆がひれ伏すというのも不思議である。

 

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関連語句
時代劇 水戸黄門 光圀 副将軍 元禄

注釋
石坂浩二版でも芭蕉が登場
第29部第5話でも光圀は芭蕉と出会っており、ここでは光圀は甲府に向かう途中で、芭蕉とは勝沼で出会ったようだ。
「史実」では光圀が隠居した1690年以降、芭蕉は関東から西にいたようなので、第29部の設定のほうが「史実」に近い。もっとも、第29部最終回で藤井紋太夫の事件が描かれており、この時点では芭蕉はすでにこの世を去っていた可能性がある。

参照
平成21年BLOG
2009年07月20日