中国の漢族と「少数民族」 

漢族(シナ系)
└→各「方言」の話者数は中国の言語と民族3中国の言語と民族4で書いた。
└→地理的分布はこちら
└→もちろん、中国国外、例えば中央アジアや東南アジアなどにも漢族は暮らしており、中央アジアのシナ語でドンガン語(Wiki)がある。ドンガン語は北方方言と想われる。

 

タイ系
└→漢族以外ではタイ系が最も多く、漢族の7大方言のうちの最少の贛、湘方言に匹敵する。公式の細かい分類法でも壮族は「少数民族」で最多で西暦2000年までには1600万を超えた模様(中国地図出版社『新編実用中国地図册』2003年)。

 

トゥングース系
└→シベリアにもトゥングース民族がいる。ただ、アムール川のロシア側にはロシア人が、中国側には漢族が、やはり多くなっている。

 

トルコ(テュルク)系
└→中国外の国名としての「キルギス」は「吉尓吉斯」になる。タタールスタン共和国はロシア連邦内にあるようで、シナ語では「鞑靼斯坦共和国」である。
└→言うまでもなく、モンゴルやロシア、さらに旧ソ連のカザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンにもトルコ系は多くいる。旧ソ連のアゼルバイジャンもトルコ系民族の国であり、ロシア連邦内のチェチェンもトルコ系のようである。
└→アゼルバイジャンは Азербайджан から考えると「アゼルバイヂャン」。

 

2009年7月初め、新疆ウイグル自治区で暴動が起きた。暴動は鎮圧されれば暴動、政権を倒して国を変えれば革命、それが「歴史」である。人々は一方で「国境のない地球を目指す」「世界を一つに」などと言うが、もう一方で抑圧された「少数民族」がいると独立国家を与えようとする矛盾を持っている。

 

イスラム教徒
回族
└→アラビア人、イスラム教徒になった漢族など。
└→モンゴル系のトンシャン族もイスラム教徒である。そもそも、特定の宗教の信者を「民族」にする必要があるのかどうか。むしろ、中国人は(あるいは中国政府は)いかにも中国がたくさんの「民族」の共同社会であるかのように見せようとして、民族を細分化し、作り上げようとしているのではなかろうか。

 

モンゴル系
└→もちろん、モンゴル本国に多いのだが、ほかにロシアではバイカル湖周辺のブリヤート(Burjat)、モンゴルに接したトゥバ(トゥヴァ、Tuva)、さらにカスピ海北西のカルムイク(Kalmyk)にもモンゴル人がいる。
もともと、ユーラシアを廣く支配した民族の末裔なので、今でも大陸各地に住んでいるようだ。

 

朝鮮族
└→朝鮮系民族は南朝鮮では「韓民族」Han-minjokを名乗っており、ロシア、カザフスタンなどでは「高麗人」、つまりKoryeo-in、Koryeo-saram を名乗るが、みな、朝鮮人である。解説を参照。

 

印欧、スラブ系
オロス族
└→ロシア系中国人。中国籍のロシア人。

 

オーストロネシア系
高山族
└→昔の日本で台湾を「高山国(たかさんごく)」と呼び、これが「高砂(たかさご)」になったらしい。