『八百八町夢日記』『遠山の金さん』『江戸を斬る』I
『八百八町夢日記』『遠山の金さん』『江戸を斬る』II


子供のころ、『江戸を斬る』の番組の宣傳を観て、時代劇のタイトルに『~IV』のようなローマ数字がついて「~パートシックス」のように呼ばれることの意外さを最初に感じたものだ。
あとで『必殺仕事人』は「V」まで、『影の軍団』は「IV」まで、『暴れん坊将軍』になると10作以上続き、終いに数字が出なくなった。『暴れん坊将軍』の第1作は最初に「吉宗評判記」がついていたので、『暴れん坊将軍』はシリーズ後半になって無印になったことになる。
└→「無印」は「第1作」とは限らない【事項】

少し気になるのは『八百八町夢日記』と『遠山の金さん』における両奉行の年齢である。榊原忠之は鼠小僧を処刑した段階で60代、遠山金四郎も北町奉行になった時点で40代。とても時代劇で描かれた元気な若侍という感じではなかったはず。

そして、松方弘樹が金四郎を演じた『遠山の金さん』では、当初、東山紀之が演じた若い同心がのちに素浪人の姿になって隠密になり、のちにサポート役が何度か変わった。
そして遠山が南町奉行になった1845年以降を描いた『遠山の金さんVS女ねずみ』では女の鼠小僧が登場。
女であるから次郎吉とは別人で、「遠山の金さん」+「女ねずみ」+「次郎吉」で検索すると、この女鼠小僧は次郎吉の忘れ形見という設定であった。

とにかく、有名な「鼠小僧次郎吉」と「遠山金四郎」のような奉行を「共演」させるには、鼠小僧の処刑を「なかったこと」にするか、「生きていた」という設定にしながら奉行を「遠山金四郎」でなく別人にするか、「鼠小僧」を2代目の別人にするなど、相当、無理をしないと話が成り立たないのである。

『江戸を斬る』の第1作は竹脇無我が家光の弟を演じた話のようだが、観た記憶がない。
竹脇無我と西郷輝彦はナショナル劇場の『大岡越前』で小石川養生所の医者を演じている。
また、竹脇無我は里見浩太朗版『江戸を斬る』で徳川家慶を演じていた。遠山金四郎の「不正」を告發する無記名の訴状が目安箱に投げ込まれ、将軍を外におびき寄せる罠だったようである。家慶は忍びで町に出たところで何者かに襲われ、町人姿の金四郎に救われた。
西郷輝彦と里見浩太朗は、『闇を斬る!大江戸犯科帳』で表奉行と「闇奉行」を演じて、ダブル主役となった。

『江戸を斬る』の場合、金四郎は町人姿だけでなく、刀を差した武士の姿でも町を歩き、また、北町奉行所の若手同心や岡っ引きも「遊び人の金さん」が遠山奉行だと知っているところなどがTBS版『大岡越前』に似たアットホームな雰圍気を出していた。
谷幹一が没したとき、TBSの『サンデーモーニング』では、若かったころの関口宏が同心を演じ、谷が岡っ引きを演じていた『江戸を斬る』の映像が流れた。

インターネットで見つけた笹沢左保の時代小説『大江戸龍虎伝』では、遠山金四郎と鼠小僧、千葉周作が登場するが、時代設定は文政らしい。

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