ハナ夫、ペロ、指輪、プロポーズ作戦など

●「ママのダイヤを盗み出せ」
 のび太の母・玉子が7歳のころ話。
 玉子によると、玉子が7歳のころ、玉子の母(のび太の母方の祖母)が持っていた「ダイヤの指輪」が「怪しい2人組」によって盗まれた。これは玉子が大人になったらもらう約束だったらしい。ドラえもんとのび太が取り返しに行こうと、タイムマシンで玉子が7歳の時代に向かった。これは原作とテレ朝初期のアニメで1948年7月10日、2007年放送のアニメで1980年代初めになっている。
 実は、「怪しい2人組」はドラえもんとのび太であり、「ダイヤの指輪」はガラス製の偽物だった。指輪は玉子の母からのび太に、つまり、母方の祖母から孫に贈呈された形になった。
 ドラえもんとのび太が玉子のことばを信じて、この指輪をダイヤと認識したから、この事件が起きたわけである。その「ダイヤ紛失」は初めから歴史上の「事実」であった。ドラえもんとのび太は過去を変えるつもりで、変えてはいなかった。

 

 玉子は「今、この指輪があれば、この家も建て直せる」と語っていたが、母からのプレゼントであれば、よほどの生活苦でない限り、記念に保管しておくものだろう。

 

 ちなみに、原作の玉子が1948年で7歳とすると、1941年生まれで、のび助との結婚は18歳のとき、のび太が生まれた1964年当時は23歳だったことになる。
 一方、2005年声優交代後のアニメ版では玉子が7歳だったころを松田聖子デビュー当時の1980年から「赤いスイートピー」がヒットした82年までとすると、玉子は73年から75年までに生まれたことになる。アニメのリニューアル版ののび太が声優交代時点で10歳とすれば1995年生まれ、原作と同様、玉子より23歳年下とすると、新作ののび太は96年から98年の間に生まれたことになる。
 新作の玉子は原作ののび太より10歳ほど年下であり、新作ののび太は原作の息子・ノビスケ(2代目?)より3~6歳ほど年下になる。
 『ドラえもん』のアニメとしては2作目であるテレ朝版が始まった直後から現在まで、すでに1世代近く経過していることが、ここからわかる。