家光「忍び旅」から光圀の全国旅行、吉宗の外出、遠山金四郎のアルバイトまで 

TBS『水戸黄門』では光圀が近畿を訪れたとき、若かったときの吉宗と出会っている。当時、吉宗は源六であった。
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ネットで再確認すると光圀と源六の話は2008年2月4日放送、『水戸黄門』第38部の第5話「暴れ若様まかり通る」であった。吉宗が城を抜け出す癖は少年時代からのようで、当時、身分を隠して旅行していた光圀と会うことによって、むしろ、吉宗の外出する癖は強化されたようである。

まとめ
将軍家の人物や奉行が偽名を名乗って市内を探索するということは、江戸時代の警察システムが破綻していたことを意味する。

『暴れん坊将軍』の吉宗は「暦の改正」を建前の理由にして西川如見を長崎から招聘したが、如見とむすめと弟子らしき男の3名は何度か危ない目に遭い、城から出ていた吉宗が自ら駆け付けて如見を助けていた。幕府から腕の立つ剣客か忍者でも派遣して護衛させたほうがよかったのではないか。

光圀の時代には中央から一々監視役を派遣しないと地方政治の問題を解決できない缺陥だらけの体制で、構造的な改革になっていなかった。結局、光圀や吉宗のような傑出した人物がこの世を去った段階で、また同じ問題が起きる。

江戸時代は幕府も奉行所も人材不足だったようだ。
└→『暴れん坊将軍』「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」

葵の御紋の威光は幕末には地に落ちていた。
└→『篤姫』第44話「龍馬死すとも」

演じた俳優
里見浩太朗は光圀、忠之、景元を演じており、松平健は吉宗と景元を、三田村邦彦は家光と治貞を演じている(三田村は慶喜を演じたこともある)。横内正が渥美格之進と大岡忠相を演じているのは有名。
景元を演じて有名だった松方弘樹は大石内蔵助も演じており、松平健、里見浩太朗も同様である。
ちなみに、西田敏行は吉宗、忠相、源内を演じた。

『殿さま風来坊~』で三田村邦彦が演じた徳川治貞と西岡徳馬が演じた徳川宗睦は、いずれも無名の藩主だったので、スタッフは火野正平扮する平賀源内という有名人を登場させて時代設定を明確にし、バランスを取っている。また、同様に『八百八町~』でも里見浩太朗扮する榊原忠之は無名の奉行なので、スタッフは風間杜夫に鼠小僧次郎吉という歴史上の有名人の役を任せてバランスを取った。

あくまで推測だが、むしろ、源内または次郎吉のような有名人のいた時代というのが、それぞれの企画の始まりだったのかも知れない。