藤子不二雄(藤子・F・不二雄1933~1996、藤子不二雄Ⓐ1934~) 

声優の野沢雅子がドラえもん(73年日テレ)と怪物くんを担当。

 

肝付兼太は『ドラえもん』のジャイアン(73年日テレ)とスネ夫(79~2005年テレ朝)、『怪物くん』のドラキュラ、『21エモン』のゴンスケ(映画)とオナベ(TV)、『忍者ハットリくん』ではケムマキ、『パーマン』でパーやん、『オバケのQ太郎』(無印&『新~』のゴジラなど、かつては藤子作品の常連だった。

 

太田淑子は『新オバQ』の正太から73年日テレ『ドラえもん』の野比のび太を経て、79年から2005年までのテレ朝『ドラえもん』でノビスケを担当。
小原乃梨子は73年日テレ『ドラえもん』で玉子、79年から2005年までのテレ朝『ドラえもん』でのび太の声を担当。
70年代当時、肝付兼太は『オバQ』や『ミラクル少女リミットちゃん』(永島慎二&ひろみプロダクション原作、東映)で大柄のガキ大将の声を担当しており、初代ジャイアンの声になったのも、そのせいだろう。
初代ドラえもん声優の富田耕生氏も『魔法使いチャッピー』(東映)のドンちゃんなど、動物の声が得意だった。

 

藤子作品にある「不思議なキャラと相棒である少年、大柄のガキ大将とその子分、レギュラーの女の子1名」という構図は『オバQ』『ジャングル黒べえ』『バケルくん』『みきおとミキオ』でも見られるもので、藤子作品共通のキャラクターだった(下注釋)。

 

藤子・F・不二雄はつねに子供を対象にした作品を続けて、結果として大人も子供もファンにした意味で、「劇画」作家とは異なる方法で読者の範圍を廣げた。

 

藤子・F・不二雄の作品は未来への希望を描きながら、警告も含んでいる。

 

『ドラえもん』を読み始めて間もないころ、私はドラえもんが「21世紀」のロボットで、セワシがのび太の「孫」だと想っていたが、あとで、ドラえもんは「22世紀」のロボット、セワシはのび太の「孫の孫」とわかった。70年代当時、「21世紀」は漫画で描く未来の象徴だったのである。

 

前後一覧
2009年5/30

 

関連語句
藤子 肝付兼太 [1] [2] みきおとミキオ バケルくん

注釋
藤子作品のキャラクター設定
これは70年代においては、他の漫画化による少年漫画でも共通しており、赤塚不二夫の『ひみつのアッコちゃん』にも大柄な大将が出てくるし、吉沢やすみの『ど根性ガエル』も「架空のキャラクターと相棒となる少年、ガキ大将とその子分、女の子」という構図で、『ドラえもん』と似た人物設定である。『ど根性ガエル』はヒロシの声が野沢雅子、ピョン吉が千々松幸子(テレ朝初期野比玉子)、ゴリライモがたてかべ和也(テレ朝初期ジャイアン)で、声優でも『ドラえもん』と共通の出演者が多い。すでに述べたように、『リミットちゃん』でも大柄のボスが出てくる。

参照
『ドラえもん』が描く未来への警告I
『ドラえもん』が描く未来への警告II
主な『ドラえもん』関連記事(2009年4月~5月)