○鮎川いづみ(>~いずみ)
『必殺仕事人』の「何でも屋の加代」として有名だが、必殺シリーズでは78年の『必殺商売人』で秀英尼、『翔べ!必殺うらごろし』でおねむ役、79年スタートの『仕事人』に途中から加代の役で参加した。
『商売人』では「鮎川いづみ」、『新必殺仕事人』(81~82年)では「鮎川いずみ」という表記になっている。
必殺シリーズの最後は『オール江戸警察』で、その後は化粧品会社の社長となっている。加代は旅先で金(カネ)を騙し取られたり、米相場に手を出してバブル崩壊で損したり、闇の会解散で生活苦におちいったりしたが、実際の鮎川いずみは見事、ビジネスでうまくいったようだ。

○三田村邦彦(1953~)
飾り職の秀、徳川家光、徳川治貞、徳川慶喜などを演じた。今、想うと、必殺シリーズで武士の役もやっていたら似合ったかも知れない。映画の必殺シリーズでは秀が簪(かんざし)を折られ、刀を使って戦う場面がある。家光を演じたとき、中条きよしと兄弟役というのも奇遇であった。
三田村邦彦が徳川家の武士を何度か演じたように、『必殺仕事人・激突!』(91~92年)で共演した滝田栄も家康を演じたことがあり、藤田まことも光圀を演じた。

「想い出の糸車」は秀のテーマ曲としてピッタリである。岡田有希子のラジオ番組にゲスト出演したことがあり、有希子は秀の大ファンだったようだ。三田村邦彦は「かよ」という名前の女性と縁がある。
2009年5月29日『スーパーモーニング』で必殺についての想い出を語っており、初めは断り、ストレスがたまって、次に3箇月の予定でやって、辞めようとしたが、監督からの助言で「中途半端で辞めたら、後悔する(または今後役者としてやっていけなくなる)」ということがわかり、藤田まことも「演技で満足できたことはない」と言っていたので安心したらしい。

○中条きよし(1946~)
1974年に「うそ」で歌手デビュー。四半世紀が経過した1999年の『必殺!三味線屋・勇次』の主題歌は「あの日の嘘のつぐないに」であった。
必殺シリーズでは『必殺商売人』と『仕事人』SP版「恐怖の大仕事」で悪役として登場し、『仕舞人』でOPナレーションを担当。この時点で声がすでに三味線屋・勇次になっている。『新必殺仕事人』以降の勇次役は周知の如し。
必殺シリーズの出演者でOPナレーション、主演、主題歌歌唱の3役をすべてやったのは藤田まことと中条きよしの2名だけである。

○村上弘明(1956~)
鍛冶屋の政、筑波洋(スカイライダー)、佐々木小次郎、柳生十兵衛、銭形平次などを演じた。『八丁堀の七人』(2000~2006年)の与力も当たり役。
また、1990年テレ朝版『白い巨塔』で財前五郎を演じた。
必殺シリーズでは、鍛冶屋の政が最後に天本英世(あまもとひでよ)扮する赤目と槍で刺し違えて息を引き取る。これは「仮面ライダー対死神博士」という構図となった。
彼は柳生十兵衛も演じた。三田村邦彦と京本政樹がそれぞれ別の作品で徳川家光を演じているのも、奇妙な因縁である。

○京本政樹(1959~)
徳川家光、組紐屋の竜を演じたほか、『里見八犬伝』で犬塚信乃を演じ、リメイク版で足利成氏を演じる連続出演になった。
『殿さま風来坊隠れ旅』では治貞と宗睦に協力する武士を演じたが、三田村邦彦とは必殺シリーズの映画でも共演しており、両者とも家光を演じたというのも奇遇である。
沖雅也と同様、月代(さかやき)を剃らない髪型が似合う(と見なされることが多い)ようだ。
今では必殺シリーズのガイド役の一人としても活躍。NHK『ちりとてちん』にも出演し、『スタジオパークからこんにちは』に出演したとき、ギターで『激闘編』のテーマ曲「女は海」の一部を演奏した。