オバマ当選 

オバマ大統領就任

日本で「オバマ有利」と報道されていたことについて、選挙期間中、落合信彦氏は「日本人特派員は英語を余り理解できず、オバマ寄りのメディアを翻譯しているだけ」と言っていた。

落合氏は政策面などでマケイン(McCain)を評価していたが、締めくくりとして「アメリカでは人種差別が根強い。自分のアメリカ生活でそれを痛感した。だから有権者はぎりぎりで黒人への投票をためらうはずだ」と書いていた。
ここで落合信彦氏は自分がこういう人種差別に賛成か反対か何も言っていない。アメリカ人がどう投票するかという予想である。もし、落合氏自身がアメリカの有権者だったらマケインに投票するのか、オバマに投票するのかという視点が缺落している。日本人にはアメリカ大統領選の参政権はない。落合信彦氏はアメリカ生活が長くても、あくまで日本人としての傍観者の視点なのである。

しかも、落合氏の評論の場合、「世の中をこう変えよう」という考えがなく、あくまで世の中に人種差別があるから今までどおり白人が当選するだろうという考えだった。
要するに、落合氏のアメリカ論はあくまでひとごとなのである。

落合信彦氏の主張は大きく外れたが、これほど大外れの予想を雑誌で毎週發表しても、説明責任はないのだろうか。

マスコミには誤報が多い。ましてや、予想に至ってはまったく無意味。『SAPIO』において落合信彦氏は北京五輪について綜合的な評論をして、あの五輪がどんな競技大会だったか、SAPIO'S EYEとともにうまい總括をしていた。しかし、「マケイン支持」はあくまで落合信彦氏個人の私的な願望であり、『SAPIO』編輯部は「マケインもオバマも北朝鮮に関心なし」という評論で、選挙に関しては中立であったようだ。
21~22年前、ポスト中曽根で安倍晋太郎、宮沢喜一、竹下登が争ったとき、「誰になってほしいか」では「宮沢」、「誰がなるか」では「竹下」という声が多かったらしい。落合信彦氏のマケイン支持は「誰がなるか」だけが突出した結果であろう。

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2009年5/20