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『空想科学読本』――ヤマト編I、ヤマト編II、ヤマト編III 


時代設定
『ヤマト』で描かれた22世紀末~23世紀初めの未来史については、円道祥之(えんどうまさゆき)氏の『空想歴史読本』で取り上げられているので、ここでは余り詳しくは触れないことにする。むしろ、昭和の戦艦大和との歴史的なつながりについては柳田理科雄氏が2006年に『空想科学読本5』で書いている。
『空想科学読本5』によると、西暦2199年からさかのぼると、1945年は254年前。西暦2006年から254年さかのぼると西暦1752年。徳川吉宗が没した1751年の翌年。つまり『ヤマト』の登場人物にとって戦艦ヤマトとは、21世紀初めの我々にとっては江戸時代半ばの船のようなもの。そんな昔の船を改造して最先端宇宙船にするという考え自体、奇抜であったと、柳田氏は考えている。
もっとも、松本零士は『銀河鉄道999』で蒸気機関車を銀河超特急のモデルにしているから、古いものと新しいものは組み合わせたほうがいいのだろう。
ちなみに、吉宗が没した1751年には大黒屋光太夫が生まれている。また、2009年から245年さかのぼると1754年。その翌年にはマリー・アントワネットが生まれており、さらに翌1756年にはモーツァルトが生まれている。
『空想科学読本9』では沖田艦長が復活した『ヤマト完結編』の時代設定について2203年だとしている。また、『銀河鉄道999』の時代設定は2221年らしい。

宇宙服の描写、機雷群など
柳田氏は『非科学大全』で「放射性の大気の中でないと生きられない異星人もいた」と書いている。これはガミラス星人であろうか。遊星爆弾での攻撃は地球の大気を放射性にするためのものだったが、のちにデスラーは真空に放り出されても生きており、ガルマンガミラスに古代と雪を招待したときは、地球人もガミラス人も宇宙服なしで同じ大気の中にいた。何のための戦争だったのか。
柳田氏はヤマトの乗組員たちが「ヘルメットの風防を下げただけで宇宙に出る」のを「宇宙の謎」としていた。

ほかに柳田氏は『[漫画]読本4』でガミラスの機雷群について検証している。ヤマトの乗組員たちは「人力」で機雷を除去しているが、運ぶ力は各人が背負っているエンジンによるもの。これでは人間に負担がかかりすぎる。背負っているエンジンを直接、機雷につけるべきだったというのが柳田氏の意見である。

ちなみに、柳田氏は『銀河鉄道999』についても『科学読本』と『[漫画]読本』で検証し、『[漫画]読本』で『クイーンエメラルダス』を扱ったときには松本零士の描く膨大な数のメーターの必然性について考察している。

『ヤマト』はリアルか?
『科学読本5』によると、『ヤマト』が放送された当時、柳田理科雄は友人とこの作品のリアルさを称讃し、音楽などについては余り評価しなかったらしい。しかし、SFアニメでリアル路線を切り開いた革命的作品といえば『機動戦士ガンダム』であろう。もっとも、『ガンダム』にも宇宙戦艦が出てくる。ただ、『ガンダム』に出てくる宇宙戦艦の内部は無重力である。

『空想科学読本』(第1巻)
ヤマトの人工重力について。
(テレビ『ヤマト2』では第2艦橋で人工重力を作っている設定だったが本で言及なし)

『空想科学読本2』
ヤマトの戦闘と宇宙の大きさについて。

『空想科学読本3』
『さらば宇宙戦艦ヤマト』の彗星帝国について。

『空想科学読本4』
スターシャを愛したデスラー総統。

『空想科学読本5』
戦艦を宇宙船に改造することはリアルか。

『空想科学読本6.5』
ヤマトの太陽系脱出までの「各惑星寄り道」の問題点。

『空想科学読本9』
ドメル将軍の作戦の失敗。沖田艦長の「復活」と佐渡先生の誤診。

『空想非科学大全』
ヤマトの波動砲の原理と反動。放射の除去装置の構造上の問題点。ワープ航法。
(テレビ『ヤマト2』ではヤマトが波動砲の反動を逆噴射の代用にしたがこれもこの巻で言及なし)

『空想歴史読本』
22世紀末のガミラスによる地球への攻撃。23世紀初頭のヤマトの度重なる航海。ヤマトが爆沈後もまた航海(『完結編』の時代設定が『ヤマトIII』より前?)。ロボット技術の進歩の限界(マジンガーZ→アトム→エヴァンゲリオン→アナライザー)。

『空想科学論争!』
ヤマト航海成功の原因。

『空想法律読本2』
アナライザーによる森雪へ「のセクハラ」問題。

『空想科学[漫画]読本3』
松本零士の漫画『新・宇宙戦艦ヤマト』における西暦3199年の地下都市について。

『空想科学[漫画]読本4』
宇宙戦艦ヤマトの機雷群突破について。

『空想科学英語読本』
沖田艦長の名台詞の英譯など。

人工重力、ガミラスとイスカンダルの環境、宇宙での戦闘と通信、普通の船と宇宙船の違い、ドメルの敗因、航路と艦内の生活、波動砲、放射能除去法、機雷群除去、ヤマトが旅した時代等
18:45 - 2015年9月26日


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