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日本の時代劇――『必殺シリーズ完全百科』 『必殺!大全集』


山田誠二必殺シリーズ完全百科』(データハウス、1995年)
1995年に出た本で、翌年には『主水死す』が公開されており、この本では『主水死す』の情報がまだ知られていない状況で書かれている。

『仕業人』の時代設定
『必殺仕業人』では脚本段階で文政年間だったことがわかる。
江戸町奉行所仕事人探索係『必殺仕事人・中村主水の秘密』では『仕業人』の前の『仕置屋稼業』を天保時代としており、時代設定が天保から文政に戻ったのは『仕業人』からだとわかる。

『仕事人』(主水・秀・左門編)最終回
『必殺仕事人』(主水・秀・左門編、1979~81年)の最終回についても書かれてあり、『裏稼業の凄い奴ら』では解散の理由がはっきりしないことを批判していた。これについても、『完全百科』を観ればわかる。もともとの脚本では畷(なわて)左門親子を逃がすかどうかについて、仕事人同士の対立、葛藤があり、加代が元締めの意向をつたえ、それにしたがって解散したかもわかるようになっていたらしい。

朝吉のキャラクターの変化
また、片岡孝夫が演じていた蝶々の朝吉は主水編の映画第1作『必殺!』では人形浄瑠璃の太夫であったが、テレビSP『三日殺し軍団』『横浜異人屋敷』ではその人形使いの側面が省かれ、主水編の映画5作目『黄金の血』で大沢樹生の演じた朝吉は追っ手から逃れるためにわざと牢屋に入るような遊び人であった。映画『必殺!三味線屋勇次』のパンフレットにあった「歴代仕事人リスト」といえるコーナーでは、この2人の朝吉を別人扱いしていた。
『完全百科』によると、『必殺!』で人形浄瑠璃の太夫と博打好き遊び人は、初めは「双子(つまり、一応は別人)」という設定だったのが、「同一人物」に変更されたらしい。

『黄金の血』における政の手槍の謎
また、『黄金の血』では最初、政が仕事人から足を洗っており、秀が政から手槍を預かっていたが、ラストシーンの仕事では、仕事人たちが赤目(「死神博士」だった人物)と対峙した場面で、秀を背後から襲うコウモリを政がノミを投げて仕留め、次に政がいつのまにか手槍を取り出し、赤目の長い槍と刺し違えた。初見の際は、画面の端で観えないところで秀が政に返したのかと想ったものだ。
これについても、『完全百科』によると、もともとは最後の出陣のときに秀が政に手槍を返す場面があり、それが作品の完成までにカットされたらしい。
このように、テレビや映画を観て想ったいくつかの疑問が氷解する。

『黄金の血』では秀が政の手槍を預かっていたが、ラストシーンで秀を襲うコウモリを雅がノミで仕留め、赤目と対峙したとき、いつのまにか政は手槍を持っていた。これは、出陣のときに秀が政に手槍を返す場面があったのが、映画の放映までにカットされたためらしい。

「中村主水の最期」
中村主水の最期については、『主水死す』の前の案がいくつか書かれてある。
└→『必殺!主水死す』(1996年)

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2009年5/17