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出演者や放送時期などについてはこちらを参照。
└→Wikipedia 必殺シリーズ>TVスペシャル

『横浜』『春雨』『江戸警察』の3作とも1990年に放送された。東西ドイツ統一、イラクによるクウェート侵攻の年である。
必殺シリーズでは鮎川いずみも「何でも屋の加代」の役で、前のSP版から引き続きこの3作に出ている。音楽面では『横浜』『春雨』などで加代の日常の場面に「冬の花」を使うパターンが定着していたようだ。

『必殺スペシャル・新春、大暴れ仕事人!横浜異人屋敷の決闘』
時代設定は幕末、1863年当時。舛添要一が勝海舟役で、他の幕臣と意見が対立したとき「それでは夜を徹して朝まで話し合いますか」と言っていた。
奇しくもNHK大河ドラマでも『翔ぶが如く』を放送。
OPナレーションは芥川隆行で、『仕留人』+『激闘編』の合体バージョン。
劇中ナレーションは上岡龍太郎。
主水の仲間は鍛冶屋の政(村上弘明)、蝶々の朝吉(片岡孝夫)、何でも屋の加代。
滝田栄は清河八郎(または清川~)。
『大老殺し』(1987年10月2日)で描かれた安政の大獄~桜田門外の変から3年経過した清河八郎の浪士隊結成を描いている。『大老殺し』では勝海舟役は山本學(田宮二郎版『白い巨塔』里見医師)。
エンディングは『仕掛人』の主題歌だったが、OPの音楽、さらに、『仕留人』の「試して候」に似た「大筒の試し撃ち」をめぐる話など、『仕留人』をSP版にしたような雰圍気。
エンディング主題は「荒野の果てに」で、バック映像は富士山。
てっきり、「旅愁」かと想ったが違った(「旅愁」であったらバック映像は水面だったかも)。ちなみに「旅愁」は『徳川内閣大ゆれ!主水にマドンナ』(1989年放送、Wiki)で使われた模様。
ちなみに、『仕留人』の時代設定は1853~1854年、この『横浜』では1863年当時なので、『仕留人』の舞台から10年後の世界を描いていることになる。

『必殺スペシャル・春、勢ぞろい仕事人!春雨じゃ、悪人退治』
時代設定は文政時代。シーボルト事件のあった1828年から翌年まで。
OPナレーションは前半が「お天気おじさん」こと福井敏雄、後半は芥川隆行で『必殺からくり人。血風編』から流用。劇中は福井敏雄がナレーションを担当。
主水の仲間は鶴(笑福亭鶴瓶)、加代、市兵衛(高橋景保の弟、近藤正臣)、はぐれ仕事人2名。
滝田栄は千葉周作の役。
音楽面では、はぐれ仕事人2名の仕事の場面では『必殺仕事人V』出陣の曲が使われた。
終盤の仕置のテーマは「荒野の果てに」「さよならさざんか」「女は海」「やがて愛の日が」と多彩で、トリは『新仕事人』の主水のバラード。
エンディングは「やがて愛の日が」で、花の咲く枝などがバックの映像。
あとで考えると、天文と気象に関係する話なので、『新仕舞人』の「流星」をどこかで使ってもよかったのではないかという気がする。
バブル経済崩壊(Wiki)を描いており、あのジュリアナ東京(Wiki)が91年から94年まで営業していたことを考えると、『春雨』は先見的な作品であった。

『必殺スペシャル・秋!仕事人vsオール江戸警察』
OPおよび劇中ナレーションは徳光和夫。「国際社会のルールを無視」する者への批判が語られており、翌年から始まった湾岸戦争(91年、Wiki)の切っ掛けとなったイラクによる対クウェート侵攻(90年8月2日)のことではなかろうか。
主水の仲間は鶴、加代、太棹の新之介(三味線屋、田村亮)、剃刀の辰(本田博太郎)、藝者駒吉(光本幸子=みつもとさちこ)。「太棹」は「ふとざお」、「剃刀の辰」は「かみそりのたつ」と読む。
時代設定は天保時代。
滝田栄は平田深喜(ひらたみき)こと平手造酒(ひらてみき)の役。
まず、最初の主水抜きの新之介、駒吉、辰の仕事では、出陣は『新必殺仕置人』のそれで、クライマックスの主水、平田、新之介、加代、鶴の仕事では『新仕事人』出陣の曲→「荒野の果てに」→「あかね雲」→『新仕事人』の主水のバラードという音楽。
エンディングは「あかね雲」。
全体として音楽面では『新必殺仕置人』に近い。

この3部作は音楽の使い方などから観てテレビ本編の『仕掛人』『仕置人』『新仕置人』、または『仕留人』『仕置人』『新仕置人』のような流れである(テレビの主水シリーズでは『仕置人』→『仕留人』の順序)。
『横浜』では村上弘明と片岡孝夫が出るなど、それ以前のSP版の流れを受け継いでいるが、『春雨』から村上弘明が降板。鶴瓶、近藤正臣、本田博太郎といった他の必殺レギュラー経験者にバトンタッチした。『江戸警察』における滝田栄と光本幸子の出演、徳光和夫によるOPナレーションが次の年(1991年)からの『必殺仕事人・激突!』に受け継がれた。