Y!Japan Y!辞書 Google Wikipedia 雅虎 谷歌 Y!Korea アマゾン


『西遊記』(作品解説I) 

派生的作品
『西遊記』の世界観は70年代の日本のSFアニメにも取り入れられ、Wikipedia によると『宇宙戦艦ヤマト』も『西遊記』をヒントにした作品のようで、これは松本零士原作による『SF西遊記スタージンガー』で結実した。
Y!Japan
宇宙戦艦ヤマト 西遊記 で検索

永井豪&ダイナミックプロの『ゲッターロボ』における「リョウ、ハヤト、ムサシ」、タツノコプロの『ガッチャマン』における「ケン、ジョー、リュウ」、石森章太郎の『ゴレンジャー』における「アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー」のような「熱血漢、細身のクールな男、巨漢」という組み合わせは、『西遊記』の「孫悟空、沙悟浄、猪八戒」に似ている。
『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)を観たとき、その直前に日本テレビでやっていた『西遊記II』(79~80年)とダブって見えた。つまり、バルイーグルが悟空、バルシャークが沙悟浄、バルパンサーが八戒の役割に近いというわけだ。
また、TBSの『水戸黄門』も、徳川光圀、佐々木助三郎、渥美格之進の3名に風車の弥七、うっかり八兵衛、さらにお銀、飛猿が加わったあたりから、『西遊記』や『ゴレンジャー』のような旅の一行の話になっていった。

手塚治虫が『ぼくのそんごくう』と『悟空の大冒険』を作ったことはすでに述べたが、手塚治虫の弟子・藤子・F・不二雄も『西遊記』とかかわりがある。1988年公開の映画『ドラえもん・のび太のパラレル西遊記』である。
1979年テレ朝版のアニメ『ドラえもん』開始、80年『のび太の恐竜』公開で『ドラえもん』がヒット作に成長したあと、鳥山明が『ドラえもん』や過去の『ウルトラマン』、各種怪獣映画をパロディー化した『Dr.スランプ』を作った(下注釋)。
そのヒットのあと、鳥山は『西遊記』をモデルにして、1984年に『ドラゴンボール』を生みだした。
一方、藤子・F・不二雄は88年に『のび太のパラレル西遊記』を作り出した。

ちなみに、中国では『ドラゴンボール』だけでなく、『Dr.スランプ』も翻譯、出版されている(→参照)。
かつて、私が中国で出会った日本人の青年が中国人に『Dr.スランプ』の「漢譯本」を見せながら、「鳥山明は確かに『ドラゴンボール』で有名だが、鳥山明の本当の代表作はこれ(『Dr.スランプ』)だ」と説明していたと想う。
野沢雅子は『ドラゴンボール』の孫悟空の声で有名になったが、もともと、1973年の日テレ版『ドラえもん』で富田耕生のあとにドラえもんの声を受け継いだのが野沢雅子であった(下注釋)。

2009年春の映画は実写版『ヤッターマン』『ドラゴンボール』とアニメ『ドラえもん』の対決となったが、タツノコプロ、鳥山明、藤子不二雄がいずれも「旅」「宝物さがし」「時間旅行」そして『西遊記』をモチーフにした作品を作っている(下注釋)。

前後一覧
2009年4/9 4/9前後

関連語句
西遊記 玄奘 三蔵 悟空 八戒 悟浄 天竺 釋迦
作品(古代編)


注釋
野沢雅子がドラえもんの声優だった
大山のぶ代はドラえもんの声として3代目、水田わさびは4代目である。また、野沢雅子は『銀河鉄道999』の星野鉄郎の声としても有名で、『999』の車掌の声が肝付兼太。肝付兼太は日テレ版のジャイアンとテレ朝79年~2005年版のスネ夫を担当した声優で、一時は藤子コンビのアニメ作品の常連であった。

実写版『ドラゴンボール』
実写版『ドラゴンボール』では主人公の名前が「孫悟空」から「武昆」に変更されている。
現代北京語で「孫悟空」は Sun Wukong だが、日本語読みで Son Gokū である。
一方、「武昆」は現代北京語で Wu Kun になるので、今の北京語では「武昆」のほうが「悟空」の發音に近くなる(「武昆」の2文字がそれぞれ姓と名なら Wu Kun、2文字で1つの個人名なら Wukun と書くのが普通だろう)。
Wikipedia によればタイムボカンシリーズの『イタダキマン』は『西遊記』をモデルにしているらしい。


参照
光圀一行のモデルは『西遊記』か【事項】
『タイムボカン』内容別一覧I(一部)
漫画、アニメ、特撮における3人または5人のキャラクター設定【事項】
『西遊記』映像化作品

漢字論原点回帰II>「悟空」が「武昆」