歴史全般3 

補足
必殺シリーズで『仕置屋稼業』が天保時代、1840年代というのは研究本やネットの資料によるものだが、次の『仕業人』は脚本段階で仕置屋解散後1年、11代家斉治下、文政年間となっていたらしい(山田誠二『必殺シリーズ完全百科』)。主水は牢屋見廻り同心で、罪人の処刑は浪人・山田朝右衛門も加わっていたらしい。家斉の治世は1787年から1837年までだが、そのうち、文政時代は1818年から1830年まで。そして、主水が定町廻りに戻ったあとの『新必殺仕置人』の時代設定が文化・文政である。

また、スペシャル版『春日局の秘密』の場合、脚本では大御所・家斉の急死から始まっていたが、放送時、昭和天皇の容態の悪化と崩御が重なり、変更されたらしい(同書)。家斉の死去は西暦1841年でアヘン戦争の最中、鳥居耀蔵が南町奉行に着任した時期であった。

必殺シリーズで悪党を形容するとき、「カネのためなら自分の親でも殺しかねない奴で」というのがある。しかし、このシリーズの主役となった仕置人、仕事人も自分の肉親を殺していた。仕掛人・梅安と仕事人・おとわはそれぞれ、自分の妹を殺し、仕置屋・印玄と仕事人・鍛冶屋の政は自分の母親を殺した。仕事人・山田朝右衛門は己の兄を殺した。

一筆啓上、市松と星一徹から考える教育論

『ゴルゴ13』40周年でのさいとう・たかを氏のコメント

また、『ドラえもん・のび太の恐竜』に関するネット上の百科事典でこういう論評があった。この作品では恐竜狩りを悪党扱いしているが、別の回でドラえもんも同じことをやっていた。

そうなると「主人公」と「敵」のやっていることは大して変わりないわけだ。「侵略」されたことを根に持つ国は、その「侵略」で国を作った歴史がある。エカテリーナIIも国をクーデターで政権を乗っ取りながら、革命を恐れていた。「テロとの戦い」を金科玉条にするアメリカ政府も、敵から見れば自分もテロリストであることを自覚すべきであろう。

「中国脅威論」が強調されるが、それはお互い様で、国防力は他国が脅威に想うほどでないと役に立たない。日本やアメリカが中国の脅威を想うなら、同時に中国にとって日本とアメリカは脅威であり、そこから外交が始まるのである。

地球誕生~古生代~中生代

『デビルマン』に出てくるデーモンとは地球の先住生物であり、人類以前の知的生命である。2004年の実写&CG映画版のパンフレットによると、デーモンは古生代、微生物が合体して意識を獲得して誕生。ドラえもんたちの犬、猫が文明を創っていた時期である。デーモンは中生代初期に知的生命体になって二足歩行。恐竜全盛期になると、デーモンは恐竜に対して生き残るために知性を發達させて文明を築き、三畳紀に超大陸パンゲアの誕生、南北大陸の分裂の時期にデーモン一族の文明が始まり、新生代にシリコンカプセルの中に眠ったらしい。

そうなると、デーモンというのは人間からの見方であり、彼らから見れば人類こそ地球の敵ではないか。原作でもそこが強調されている。
『マグマ大使』によるとアース(Earth?)という老人が地球を作ったらしいが、『デビルマン』ではサタンたち天使の親たちが「神」で、神たちが地球を含めた小宇宙を創り、生命を吹き込んだらしい。しかし、デーモンの進化を見た神たちはそれを忌み嫌い、デーモンを滅ぼそうとした。サタンは「自分たちが作り出した生命だからといって、勝手に滅ぼしていいのか」と反撥し、デーモンの側について神と戦い勝ったらしい。

主な作品>『デビルマン』

昔から現代まで親が子供を殺すことがあとを立たないのは、自分のものだから、始末するのも自分の自由という感覚なのだろう。これを「無理心中」という異様な熟語で美化するのが日本であり、それが満洲や沖縄での悲劇を生んでいるのである。
サタンとデーモンは次なる神からの攻撃にそなえて、氷の中で眠った。彼らが目覚めたら人類が進化し、地球環境を破壊していた。サタンは自分たちが命がけで守った地球を汚した人類を許せず、人類を滅ぼすことにした。

飛鳥了はデーモンに味方した天使・サタンだったが、人間を知るために記憶を消して、人間・飛鳥了になりすましていた。その間、明を最強と言われるデーモン・アモンと合体させてデビルマンとし、多くの仲間=デーモンを死なせた。作品は1972年から73年ごろに作られたが、文庫版では「198X年」のこととされている。

サモトラケのニケもデーモンで、古代ギリシャ・ローマ時代の人類に銃を与えていたが、20世紀の時代からタイムスリップしてきた不動明と飛鳥了によって阻止され、殺された。銃はいずれ、人間が發明するもので、ニケが果たして悪と言えるか、疑問である。このニケは飛鳥自身の手で斬殺されており、さすがにデーモンもこのときはサタンを敵と想ったのではないか。
デーモンの存在を知った人類は、互いをデーモンと疑い、自滅。不動明は人類に絶望し、人類を守る戦いを放棄。20年たって人類は滅亡、およそ西暦「200X年」にデーモン軍団とデビルマン軍団の最終戦争が始まった。

映画ではデーモンの出現から最終戦争まで短期間で、廃墟となった地球上で、人類はミーコという少女とススム少年が生き残って、未来に希望が残っていた。
『新世紀エヴァンゲリオン』でも、2015年に人類が正体不明の敵・使徒と戦いながら、最後は人類同士の同士討ちとなって、シンジとアスカ以外のほとんどの人類が死滅。
1967年の作品である『ウルトラセブン』では、メトロン星人が煙草の中に人間を狂暴にする薬を混ぜ、人類同士の不信、自滅を謀った。最後のナレーションで「これは遠い未来の物語です。今の人間は宇宙人から狙われるほど、お互いを信頼していませんから」と言っていた。しかし、21世紀になっても社会は不信が増すばかりである。

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2009年3/16


参照
總論・弐