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画家に続いて、医者についてまとめてみる。
Wikipedia については「ヰキ」という標示も考えてみた。

 

必殺シリーズでは医者でありながら殺し屋という人物が多く出てくる。藤枝梅安、念仏の鉄、やいとや又右衛門、高野長英、鳴滝忍、西順之助という具合である。
『仕掛人藤枝梅安』で、はり医者・梅安がはりを使う技は必殺シリーズで2つの方向に分かれた。
まず、医者が医療の技術や知識を使って人をころすことは、念仏の鉄、やいとや又右衛門に受け継がれ、鳴滝忍もそれに近いだろう。医者が殺し屋で、ころし技が医学と関係ないのは高野長英の刀と西順之助の筒状の銃くらいである。
一方、念仏の鉄の骨はずし、背骨折りが怪力技として受け継がれたのが『仕留人』の石屋・大吉、『助け人』の龍、『仕事人』の左門、『渡し人』の大吉、『激闘編』の壱である。

 

『北斗の拳』では暗殺拳・北斗神拳が医療にも応用されており、ケンシロウが経絡秘孔(シナ語版での譯は「穴道」xuedao など)を突く技は指圧医療に相当し、念仏の鉄の技術に近い。一方、『魁!!男塾』で飛燕が針で相手の神経節を突くのは「はり」治療(「はり」は「針」または「鍼」)の応用で、梅安の技に相当する。

 

ターミネーターは暗殺用ロボットでありながら、人体の構造を熟知しているので治療もできた。
多くの作品で人を生かす技と殺す技は、紙一重とされているようだ。
医者が殺し屋という設定は『“殺医”ドクター蘭丸』に受け継がれ、必殺シリーズのような裏稼業の闇の集会が描かれている。

 

西村晃が光圀を演じた『水戸黄門』第20部で光圀は高松へ行き、途中で桑名に立ち寄っている。中野良子が女医を演じていたのはこの第20部の第7話であろう。

 

佐野浅夫版でも光圀は高松を訪れた。
└→『水戸黄門』再放送、光圀が四国の高松藩を訪問

 

○小石川養生所の医者(榊原伊織、新三郎、お葉)
吉宗の享保の改革の時代に小石川養生所で働いていた医者数名が『大岡越前』と『暴れん坊将軍』に登場する。大岡忠相と旧知の武士だったり、若い女の医者だったり、いろいろいて、交代制だったようだ。
└→日本人女医第1号は定説より早い?(『暴れん坊将軍』)

 

平賀源内
『オバQ』のエジさん(エジサン?)のような發明家として有名だが医者もやっていたようで、『影の軍団II』で志穂美悦子の演じる女忍者が目を負傷したとき、柘植新八に救われ、平賀源内の手当てを受けた(時代設定は家重の時代)。
その後、1760年に大岡忠光が死去し、家重が失脚。1776年に源内がエレキテルを復元したとき、1973~74年ごろの未来の日本からタイムトンネルでやってきたシャドウ一味に誘拐されかかり、キカイダー01とビジンダーが防いだ。ビジンダーが人間になった姿がマリで、志穂美悦子が演じた。志穂美悦子と源内は持ちつ持たれつである。
『仕事人アヘン戦争へ行く』と『必殺仕切人』の第5話「もしも鳥人間大会で優勝したら」(ヰキ)に登場した源内は、1780年(陰暦では前年末)に没した源内とすると、没後60年ほどたっており、幽霊と考えるしかないが、服部半蔵や山田朝右衛門のように同名の2世、3世などがいたと解釋すれば納得できる。もっとも、「高野長英」の項目で書いたように、アヘン戦争のとき、牢屋にいた科学者といえば高野長英であろう。

 

○藤枝梅安(はり医者)
漫画版『仕掛人藤枝梅安』では、1798年、小杉十五郎が松平定信の用心棒になっている。町なかで激高した武士が町人を斬殺し、梅安と彦次郎がその武士を仕留めた。
ちなみに梅安は鉄のように按摩もやっている。

 

○念仏の鉄(按摩、骨接ぎ)
文化・文政時代にいたようだが、はっきりしない。中村主水と2度、裏稼業で組み、最期は敵と刺し違えて没した。
└→藤枝梅安、念仏の鉄、棺桶の錠、糸井貢【人物】
└→医者II

 

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09年2/19