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2009年1月18日、ネット上のオリコン(ORICON)とスポーツ報知によると、『ドラえもん・新・のび太の宇宙開拓史』でゲスト声優を勤める香里奈がドラえもんの道具で何がほしいか訊かれ、「スペアポケット」、つまり四次元ポケットのスペアがほしいとコメントしたらしい。

 

この作品で主題歌を歌ったり、ゲスト声優として参加した人は、よく、どんな秘密道具がほしいか訊かれるが、確かにドラえもんかそれと同タイプのロボット、ミニドラ、あるいは四次元ポケットがあれば充分。

 

しかし、ドラえもんの目的は道具でのび太をサポートすることだけではなく、最終的な目標は、道具がなくても自立できるよう、のび太を教育することである。そうでなければ、ドラえもんはのび太にスペアのポケットだけを与えて、すぐに22世紀に戻ればいい。ドラえもんの野比家における滞在目的は、ある意味で逆説的であり、のび太が「ドラえもん抜き」でも問題を解決できるように成長するための支援である。
のび太はドラえもんから四次元ポケットのスペアを借りて、失敗したことがある。

 

ドラえもんはなぜ野比家にいるのか
のび太が作中で成長を見せるのは、占いであれ何であれ、ドラえもんの道具を使って失敗したあと、自分で何とかすることに決めたときである。

 

野比家にとってドラえもんは無償で雇った「のび太の家庭教師」である。玉子がペットを拒否するのは、のび太のほか、ドラえもんがいるからだろう。

 

秘密道具は両刃の剣
ストリートビューがプライバシー侵害として批判されるのを観ると、「どこでもドア」「通りぬけフープ」などの秘密道具は現実の社会ではかえって危険である。それは昨今の学校で起きた殺人事件を見ればわかる。誰でもどこにでも入れるシステムなど、犯罪に使われるのは目に見えている。

 

むしろ、介護や子守りのために家族代わりのロボットが開發されており、ドラえもんのようなロボットそのものを要求する人が増えるのではなかろうか。

 

現代社会に何が必要か
今の世の中ではドラえもんの道具は、派遣切りで切られた人に仕事、住居、食べ物を提供するものが望ましい。
第22巻(81年)に収録されている「のら犬・イチの国」に出てきた「無料ハンバーガー製造機」や「かべかけ犬小屋」の人間用のもの(つまり第9巻「かべ紙の中で新年会」に出てきた壁紙式の家や喫茶店)など、いくらでも考えられる。第9巻には「デンデンハウス」も出てくる。

 

また、医師不足が叫ばれている中では、「お医者さんカバン」のような携帯型の医者ロボットが役に立つ。これは救急箱を進化させたようなもので、診断、薬の選別まで機械でおこなうものだ。

 

のび太が訪れた昔の日本では、農夫が病気で倒れ、無医村であるため、医者をみつけるのに苦労したが、もし、のび太がこの農夫をタイムマシンで今の21世紀初めに日本に連れてきたとしても、満床による受け入れ拒否に遭うのが関の山である。

 

21世紀初めの日本は医療制度が中途半端であるため、たらい回しが絶えず、国全体が無医村と同じである。それなら一足飛びに22世紀の科学のほうが頼りになるわけだ。静香の飼い犬・ペロに対して使われた「どんな病気にでも効く薬」もある。

 

さて、余談だが、四次元ポケットの機能は、それを装着しているドラえもん自身のロボットとしての調子とは無関係である。ドラえもんが気絶しても、のび太はポケットから物を取り出すことができるし、ポケットに水が入った場合は、取り外して干すことも可能だ。したがって、例の同人誌によるニセモノの「『ドラえもん』最終回」なるもので、「ドラえもんが電池切れになったとたん、四次元ポケットが使用不能になった」という展開は本作を理解していない部外者の安易な考えであることは、明確であろう。

 

 

21Cに入ってから、新潟県中越・中越沖地震、スマトラ島沖地震、四川省地震、NZ地震、東日本大震災、長野県北部・中部地震が続いた。
2014年03月16日(日) 14:48:46

 

「キテレツ大百科」では人工地震を作ることで人々に訓練をさせる発明をキテレツ斎が江戸時代に考えていたらしく、「みきおとミキオ」では2074年の地球で人工地震を作って震災を防いでいた。
T-CupBlog>藤子作品の地震対策
2014年03月16日(日) 14:50:15

 

「ドラえもん」の秘密道具で防災訓練をさせる機械があるが、地震を防ぐ道具はあるのだろうか。小学館の学習雑誌の記事でドラえもんが「地震は防げません。被害を少なくすることはできます」と言っているのを見た記憶がある。
2014年08月11日(月) 11:11:48

 

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