○里見浩太朗(1936~)
『水戸黄門』の佐々木助三郎、水戸光圀を初め、松平長七郎と右近、『江戸を斬る』の遠山金四郎、『忠臣蔵』での大石内蔵助(おひいしくらのすけ、1659~1703)、『八百八町夢日記』の榊原主計頭忠之(さかきばらかずへのかみただゆき、1766~1837)、『闇を斬る!大江戸犯科帳 』の一色由良之助などを演じた。『田原坂』で西郷隆盛を演じたこともある。
里見が助三郎役だったとき、光圀一行が敵をあざむくために、里見扮する助三郎が光圀に変装した場面があり、今、観ると予言的な作品である。
光圀を演じた俳優のうち、月形龍之介と西村晃は吉良上野介も演じたことがある。
また、里見浩太朗が大石内蔵助を演じた日本テレビの『忠臣蔵』(1985年)では西村晃が荻生徂徠(をぎふそらい、1666~1728)、佐野浅夫が大学頭(だいがくのかみ)・林鳳岡(はやしホウカウ、1644~1732)で、綱吉の前で「水戸黄門」同士の論争となっていた。
伊吹吾郎は、里見浩太朗が助三郎役だったときと、光圀役になったときの両方に出演した。

 

○杉良太郎(1944~)
遠山金四郎は当たり役。ほかに暁蘭之介などもあり、奉行から同心、岡っ引きまで演じたのはこの人以外では少ないだろう。
里見浩太朗と杉良太郎には「佐々木助三郎と遠山金四郎を演じた」という共通点がある。

 

○松方弘樹(1942~)
この人も遠山金四郎が当たり役。
里見浩太朗と松方弘樹には「遠山金四郎と大石内蔵助を演じた」という共通点がある。
Wikipediaによると1968~69年のフジテレビ系『大奥』では松方弘樹が吉宗役。
松方弘樹と松平健には「遠山金四郎と大石内蔵助と徳川吉宗を演じた」という共通点がある。

 

○松平健(1953~)
1954年生まれの番場蛮、藤村甲子園、安倍晋三より1歳年上。
徳川吉宗が当たり役。
武蔵坊弁慶、大石内蔵助、遠山金四郎も演じた。
里見浩太朗と松方弘樹と松平健には「遠山金四郎と大石内蔵助を演じた」という共通点がある。
「マツケンサンバ」の歌が有名だが、もともと、松平健は郷ひろみの「お嫁サンバ」を歌ったこともあるらしく、コサキン(小堺一機、関根勤)のラヂオ番組では以前から話題になっていた。

 

○山口崇(~たかし、1936~)
TBSナショナル劇場『大岡越前』で吉宗を演じていた。吉宗というと松平健のイメーヂが一般的だが、山口崇も追加してよさそうなものだ。

 

○西田敏行(1947~)
猪八戒、豊臣秀吉、徳川吉宗、平賀源内、庄蔵(大黒屋光太夫の仲間)、西郷隆盛などを演じた。
西田が吉宗を演じたのはNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』で、テレ朝『暴れん坊将軍』で松平健が演じていた吉宗と「競争」となった。もっとも、TBS『大岡越前』(山口崇が吉宗役)もテレ朝『暴れん坊将軍』をパロディー化したようなところがあった。
2004年の『丹下左膳』(中村獅童主演)では徳川吉宗が風間杜夫で、大岡越前が西田敏行。
吉宗と大岡越前の両方を演じたのは、この西田敏行くらいだろう。
『おろしや国酔夢譚』で共演した緒形拳とは「大河の秀吉役」同士ということになる。
『翔ぶが如く』で共演した緒形直人は信長役の経験者だったというのも奇妙な縁。
城主と家来
 織田信長→緒形直人
 豊臣秀吉→緒形拳、西田敏行
兄弟
 西郷隆盛→西田敏行
 西郷從道→緒形直人
西田敏行はアニメで田淵幸一の声も担当した。
西田敏行が演じた人物のうち、平賀源内(1728~1780)は吉宗(1684~1751)の享保の改革(1716~1745)の最中に生まれており、その源内は西郷隆盛(1828~1877)より100歳「年上」であった。また、西田敏行が演じた庄蔵の仲間・大黒屋光太夫(1751~1828)は吉宗と大岡忠相(1677~1751)が死んだ年に生まれ、西郷隆盛が生まれた年に没している。

 

○高橋英樹(1944~)
『桃太郎侍』、『遠山の金さん』、『三匹が斬る!』に主演。
『翔ぶが如く』で島津久光(1817~1887)を演じたが、『篤姫』では兄の島津斉彬(~あきら、1809~1858)を演じることとなった。

 

○片岡千恵蔵(1903~83)
大石内蔵助と遠山金四郎と大岡忠高を演じた。大石内蔵助と遠山金四郎を演じたという意味では里見浩太朗と松方弘樹と松平健も同じ。
片岡千恵蔵は多羅尾伴内で有名だが、永井豪の『キューティーハニー』も多羅尾伴内のように変装して犯罪者を追い詰める主人公として企画されたらしい。

 

大石内蔵助と遠山金四郎を演じた俳優には片岡千恵蔵、里見浩太朗、松方弘樹、松平健がいる。
佐々木助三郎と遠山金四郎を演じた俳優は杉良太郎と里見浩太朗。
『三匹が斬る!』の高橋英樹と役所広司は大河ドラマのの信長役同士であった。

 

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